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【自律神経失調症】“病み女”に陥る前に読みたい傾向と対策3 女性鍼灸師が解説

イラスト/渡邉杏奈(MONONOKE, Inc)

イラスト/渡邉杏奈(MONONOKE, Inc)

 この世の中、男も大変、女も大変。老若男女、所変われば、立ち場も変わる。要は、それぞれの人生、各々が背負う荷も違うって話なのであるが、それでも、女性の皆さんには訴えたい。近年、浸透しつつある「ジェンダーレス」(=男女の区別をなくすこと)という価値観からは少し外れてしまいそうだが、「女、いつも、どっかが痛くないですか?」と。

 いやね、「痛いんだったら、サッサと病院、行けよ!」って話である。しかし、そうは簡単には事が運ばないからややこしいのだ。何故なら、大抵の悩める女性は、病院で各科をまたいでの検査済み。そしてすでに「特に異常はなし!」という診断を受けているのだ。もちろん、病院に行くことは大切で、さらに、疾病なしは感謝すべきことではある。しかし、それでも体調の悪さが消えるわけではないので、「病気じゃないなら、何なの、これ?」と余計に不安になり、体ばかりか心までダウンってこともあるから辛いのだ。

 もちろん、不快な症状は性別・年齢関係なく出る時は出るのであるが、女性の体は「PMS(月経前症候群)」を筆頭にホルモンの影響を受けやすい造り。「病院に行くほどじゃないけど、今日も具合が悪い」と寝込む率は女性の方に軍配が上がるかもしれない。

 これを専門用語で「不定愁訴」と呼ぶらしい。「はっきりとした原因は不明なれども、何となく体調が悪い」という状態。これの3大要因が心身のストレス、不規則な生活習慣、ホルモンバランスの乱れと言われている。つまり、これらが複雑に絡み合って自律神経のバランスを崩すため“症状勃発”ってしくみである。症状としては、頭痛、肩こり、倦怠感、イライラ、動悸、めまい、便秘、耳鳴り、不眠などなど。それこそお店開きができそうなほどに品数は豊富だ。

 とりわけ更年期は自律神経のバランスが乱れやすい時期である。その中でも、日常生活が困難になるほどの症状が更年期障害。まとめるならば、不定愁訴>自律神経失調症>更年期障害という図式になる。

 更年期は男性にもあるが、女性であれば閉経を挟んだ10年間。つまり女性は、毎月の生理に始まり、閉経後も数年間はホルモンの影響を強く受け続けるので、人生の長きに渡る期間で自律神経のバランスを崩しやすい「性」と言えるのだ。あ~、しんど。

 先頃、『女はいつも、どっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』という、ちょっと刺激的なタイトルの本が出版された。

 これは、アラフォーからアラ還までの更年期世代の女性に向けられた「取説(トリセツ)」である。この本の著者であるやまざきあつこ氏は、過去28年間で7万人超の患者を診てきた自律神経失調症の施術に秀でた女性鍼灸師であるが、プロから見た自律神経失調症に悩む更年期世代の女性には、2つのキャパオーバーがあるという。

 ひとつは、単純にフィジカル面でのキャパオーバー。仕事でも家事でも遊びでも全力投球で頑張る人はリスクが高いのだそうだ。「頑張る」という心掛けは立派だが、哀しいかな、更年期。段々と無理がきかなくなるお年頃になる。この年代に入ったら「働きすぎ・根を詰めすぎ・がんばりすぎ」になっていないかのチェックが必要。もし、体の不調が続いているならば、それは体からの警告で「これ以上はがんばれない」のサインだから、この時点で「ゆっくり休んで、食べて、寝る」ってことを最優先させることが本当に大事だそう。シンプルではあるが、これが更年期障害をこじらせないポイントになるという。

 もうひとつがメンタル面でのキャパオーバー。「真面目」「責任感が強い」「気働き上手」「自分のことは後回し」「心配性」「繊細」って気質があるならば「“病み女”の素質あり」とやまざき氏は語る。本書からそのチェックポイントと対策法を3点挙げてみよう。

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