現在、薬以外による花粉症の治療法としては、レーザー手術やアレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることでアレルギー反応を弱めていく舌下免疫療法などがある。
「鼻腔の神経を切除する方法は長期間効果がありますが、かなりの費用がかかります。より簡単で安価なレーザー照射で鼻腔下の粘膜を焼く手術が広く行なわれていますが、レーザー治療は1シーズンしか効果がありません。
また、舌下免疫療法は治療期間が長くかかるうえ、花粉症が治った患者は2割、症状が改善した人も5割にすぎず、3割は効果がなかったという報告もあります。
そうしたなかでは、手軽に始められるフラクトオリゴ糖の摂取での改善は注目に値すると考えますが、医師の多くは食品ではなく、薬や手術で治すことにばかり興味を向けてしまう。そのような状況が改められるよう願ってやみません」
「甘味料」には要注意
では、具体的にフラクトオリゴ糖をどのように摂取すればいいのか。
「酪酸菌を増やすためのフラクトオリゴ糖の摂取量の目安は、1日10~30gです。ゴボウなら1~3本、タマネギなら1~3個を毎日食べる必要があり、実際には野菜だけから摂るのは現実的ではない。サプリを活用するほうが効率的でしょう」
糖と名がつく以上、「糖質の摂りすぎ」が気がかりだが、その懸念は限定的なものだという。
「フラクトオリゴ糖は大腸で酪酸菌のエサになるだけで、体が吸収するわけではない。他の善玉菌やビフィズス菌なども増えますが、人体に悪い影響は考えにくい。ただ、酪酸菌が増えるとガスがたくさん出るので、おならが出て困ることはあるかもしれません(笑)」
ただしサプリを選ぶ際には注意が必要だという。
「液体で販売されているもののなかには、甘味料がたくさん入っているものが多い。血糖値が上がるので、中高年の方が頻繁に摂るとかえって悪い影響が出てしまいかねません。粉末のものにも砂糖がかなり入っている場合があるので、注意を払うようにしてください。精製され、フラクトオリゴ糖の純度が高いものを選びましょう」