2015年7月に発表された2020年東京五輪とパラリンピックのエンブレム。ネットを中心にパクり疑惑が大きく騒がれたものの盗作などにはあたらないとの見解を発表。だが、デザインはあらためられることになった(時事通信フォト)

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誰でも元ネタ発見・検証ができる時代

 漫画などでは過去にも、著名な漫画家たちがトレパクを疑われてきた。末次由紀さんの漫画『エデンの花』が、井上雄彦さんの『スラムダンク』からのトレースがあると検証サイトによる告発をきっかけに炎上、作画や構図の盗用があったとして、同作者の過去作品も含めてすべて絶版回収となったことがある。トレースは漫画の技法の一つとも言われるが、問題になることもあれば、問題とされないこともあるのは事実だ。

 前提として、完全にオリジナルな作品というものはありえない。あらゆる作品は、意識的あるいは無意識に既存作品の影響を受けた上で成り立つものだからだ。構図やタッチ、モチーフなどが似ていることはよくあることだ。だからこそ偶然、似ただけか、トレパクなのかという判断は難しい面がある。

 しかし今はインターネット時代であり、元ネタとなる写真も、画像検索などで簡単に見つかってしまう。ただの模写かトレースかも、画像加工ソフトで両者を重ねることで検証できてしまうのだ。

 ただ見ながら模写したのであれば線や形などがずれるものだが、元画像を反転や加工しただけの場合は、服の皺などもぴったり重なることになる。そして、元ネタとパクリと思われるものの数が多くなればなるほど、検証している側にとって、トレパク疑惑のグレーが黒に近くなっていくというわけだ。

 だが、絵は想像だけで描かなければならないというわけではなく、写真を撮影してイラストにするのは一般的な行為だ。たとえばアール・ヌーヴォーを代表する画家で日本にもファンが多いミュシャも、衣装を着せたモデルにポーズを取らせて写真を撮り、それをもとにイラストを描いていたことが知られている。

 自分で撮影したものには自分に著作権があるが、他人の写真などをトレースしていた場合は著作権侵害の可能性が出てくるというわけだ。

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