デビューから共に歩んできた2人だったが、袂を分かつときが訪れる。小池はもともとイエローキャブの系列の芸能事務所・サンズ所属だったが、2004年に野田氏はイエローキャブを離れ、一方の小池は事務所(イエローキャブ)に残るという選択をしたのだ。
「ついてくるかなと思っていたけど、彼女は『こいつについていくのはダメだ』と判断したんだろうね(笑)。その頃には共演者やスタッフにも可愛がってもらえるような女優になっていたし、良かったなと思います。俺よりも小池のほうが頭が良かったし、強さや覚悟もある女性ですからね」(野田氏)
“発掘者”である野田氏のもとから小池が離れてずいぶん経つが、野田氏の“親心”は健在だ。
「『鎌倉殿の13人』は毎回録画して欠かさず観ています。こんなに大河ドラマをしっかり観るのは久しぶり。小池の芝居はやっぱり『達者だな』と思わされますね。ずっとこの世界でやってきて良かったなと思うし、小池は何が自分に必要なのか自覚してずっと女優を続けていたっていうのが、演技を観れば分かる。
今から楽しみにしているのは、小池が尼将軍になったとき。彼女ならきっとラクにできるはずだと思うので、どう演じるのかすごく楽しみです」
小池はこれからの演劇界でも必要とされる存在だと話す。
「杖をついて歩くほど歳をとっても、ずっと頑張っていける役者です。若手の俳優さんたちには小池の芝居を観てほしいし、そうすれば彼らも小池に追いついていけるんじゃないかな。
今のところ彼女に代わる女優はいないし、僕も出せていないですね。小池栄子のような原石が転がっていないかな~と思っています」(野田氏)