どんないすに座るかによっても、首への負担の大小は変わってくる。
「座いすは前かがみになりやすいため、なるべく洋式のものがいい。背もたれの高さや形状が自分に合ったものかどうかも大切なチェックポイントです。背もたれの高さは肩甲骨よりも高い位置にあるものを、形状は背骨のSカーブを維持するために、垂直に立ち上がったあと少し後ろにカーブしているものがいい。背もたれにカーブがなく、垂直になっているいすは、クッションやタオルを使って、腰が適度に反るように補正するといいでしょう」
いい姿勢が身についたら、眠っている間の首の位置にも気をつけたい。
「いまの首の状態によって、使う枕を選びましょう。首を後ろに反らすと痛みやしびれが出やすい人は、眠っている間に反らないように高めの枕を選ぶこと。反対に首を前に曲げたときに痛みやしびれが出やすい人は、低めの枕の方が、首に負担がかかりにくい」
横向きに寝ることが多い人は、横向きになったときも首がまっすぐになる高さのものを選ぶといい。
「なぜなら低すぎる枕では、頸椎に負担がかかってしまいます。仰向けと横向きで枕の高さに大きな差がある人は、高い枕と低い枕を用意して使い分けるといいでしょう」
15分毎にネックストレッチを
首に負担をかける元凶ともいえるスマホだが、現代においてまったく使わずに生活するのはほぼ不可能だ。竹谷内さんは少しの工夫でその負担は大きく軽減されると言う。
「立って使うときはできるだけ目線に近い高さで持ち、それ以上下げないように気をつけます。座っているときは、テーブルに肘をついてなるべく高い位置で持つようにしましょう。机がある場所ではスタンドを使って、画面を立てた状態で使うのもいいでしょう」
首に負担をかけない生活習慣を意識しつつ、心がけたいのはストレスをためずに日々を過ごすことだ。
「精神的なストレスがかかると無意識のうちに交感神経が働き、首や肩回りの筋肉に力が入って緊張します。家事や仕事で集中しているときは仕方ありませんが、できるだけため込まずにこまめに解消することを意識してほしい。
ストレスや疲労を感じたらその日のうちにヨガや瞑想を取り入れて心をリセットし、7時間は睡眠をとるように心がけてください。また、心身のリラックスにはお風呂も有効です。熱すぎない38~40℃くらいのお湯に10~20分ほど入るのがおすすめです。首までしっかり湯船につかって筋肉の緊張をほぐしましょう。就寝の1時間半ほど前に入浴すると、寝床に入る時間に体温が下がるので寝つきがよくなります」