国内

安倍離れ?二階派入り?新党? 「第三の女性総理候補」稲田朋美氏が描く逆転シナリオ

総裁選についてはどう見ているのか

総裁選についてはどう見ているのか

 日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第2弾は、かつて「安倍晋三・元首相の秘蔵っ子」「タカ派のアイドル」と呼ばれた稲田朋美・元防衛相(63)である。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。3月18・25日号の第1弾(高市早苗氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。【全4回の第4回。第1回から読む

 2021年の総裁選で稲田氏が属する細田派(現・安倍派)は自主投票を決めたが、多くは安倍氏が支援を決めた高市陣営に流れた。一方、二階派は河野太郎氏と高市氏を両天秤に掛けつつ、野田陣営に8人も推薦人を出し、野田氏にとって悲願の総裁選出馬を下支えした。稲田氏が慕った2人の大物は彼女ではない、無派閥の女性を「総理候補」とした。

 今後、稲田氏がトップを狙う場合、所属する安倍派を代表して出馬する以外には、二階氏のような融通無碍な大物を味方につける必要がある。近年、稲田氏の周辺では「安倍派離脱」や「二階派移籍」の噂が絶えない。

 いずれにせよ、現状では無派閥の高市、野田両氏と推薦人集めで競うことになるだろう。つまり、近い将来、自民党から女性総理が生まれるとすれば、女性同士の熾烈な前哨戦が繰り広げられることを意味する。岸田政権の次に向けた神経戦はすでにはじまっている。

──次の総裁選出馬は考えていますか?

「私が出たいと言っても出られるようなもんでもないので、それに向けて努力をします。でもね、私は1回生の時から自民党総裁を目指すと公言していたんだよね。普通、1年生議員が総理目指すって言うか!って(笑)」

──稲田さんが女性初の総理になるにはどんな準備が必要だと思いますか。

「人気取りよりも、目指すべき日本の姿と主要政策をもっと明確にしなければなりませんね。先日亡くなった石原慎太郎さんがあれだけの国民的人気があっても、なれなかったくらいですからね」

──よく言う「ガラスの天井」を感じますか?

「どうかな。天井にぶち当たるまで上昇してないから。ただ、就職活動の時は感じましたね。男女雇用機会均等法が成立する前だから、地方出身で東京に下宿している4年制大学の女子学生にとっては就職先がない時代でした。だから私は資格を選んだのですが、弁護士になっても法律事務所の募集要項には堂々と『30歳以下男性』って書いてありましたからね」

──雇均法が施行されたのは1986年。それ以前の日常風景ですか。

「私はボス弁の先生から『5年間結婚しないなら雇ってやる』って言われて、私は『結婚しません!』って言い切って雇ってもらいました」

──現代では許されない感覚がまかり通っていた。当時に比べると、今の自民党はマシですか?

「推薦人20人のハードルって高いなーと思うんですけどね。派閥で決まるという面よりも、やっぱり政治家なので論戦でもって誰がいいかを選ぶ総裁選であってほしい。派閥の中には、まだまだ年功序列もあり、『経験も足りないくせに……』とかなりますからね。私のように人にどう思われようと正しいことは言ってすぐ行動するというタイプは、今の派閥政治の下では難しいですよね」

──いっそのこと、小池百合子さんのように自民党を飛び出したらどうですか。保守系野党のリーダーとして総理を狙うという選択肢もあります。

「私、自民党が好きやからね」

関連記事

トピックス

12月9日に亡くなった小倉智昭さん
【仕事こそ人生でも最後は妻と…】小倉智昭さん、40年以上連れ添った夫婦の“心地よい距離感” 約1年前から別居も“夫婦のしあわせな日々”が再スタートしていた
女性セブン
去就が注目される甲斐拓也(時事通信フォト)
FA宣言した甲斐拓也に辛口評価 レジェンド・江本孟紀氏が首を傾げた「なんでキャッチャーはみんな同じフォームなのか」
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン