民族衣装を着たウクライナ女性(イメージ、SPUTNIK/時事通信フォト)

民族衣装を着たウクライナ女性(イメージ、SPUTNIK/時事通信フォト)

 見れば大卒は当然で弁護士、医師、教師、詩人と多彩な顔ぶればかり。そういうウクライナ人女性でも日本人男性と結婚したい、と思う人はいるのかもしれないが、普通に考えればこんなにたくさんいるとは考えづらい。気になるのは日本のどこが好き、日本人のどういうところが好きみたいなことは具体的なことは書かれておらず、ただ定型文のようなアピールが続く。「物静かな文学少女」が多いのも特徴か。

「無料と書いてをりますが、絶対違います」

 それはそうだろう。しかし「無料で」を強調している。それにしても日本人同士の婚活サイトすら気をつけなければいけないくらい大変なコロナ禍に国際結婚、ましてや戦禍のウクライナ、「酷いと思います」という情報提供者の気持ちはわかる。運営会社にそのつもりがなかろうと「戦争で困っている若いウクライナ女性と結婚できる」と婚活中の独身者に送りつけていると思われても仕方がない。情報提供者は「元小学校教諭で今は退職してます」とのことで高齢と思われるがその後のメールで反応はない。ただし教えてくれたサイトは本当にあった。ホームページはところどころ文字化け、スクリプトの一部がバレを起こしているというお粗末な作りである。ドメインはレンタルだった。特定商取引法による表記も言い訳っぽく作ってあるが、日本語はしっかりしている。日本人の手によるものか、協力者に日本人がいるのだろう。

成婚料なし、結果だけ知らせてはおかしい

 ホームページをよく見ると小さく電話番号はあった。情報提供者は「ない」と書いていたが書いてある。どうやら携帯電話のようだ。それに仲介者と称する女性の名前も英語表記で記載されていた。ありふれた名前だが、電話をかけてみるもつながらない。無料会員登録ということで登録してみたが返事もない、いったい何が目的なのか。コロナ以前、主に中央アジアから外国人を日本に送り込む仲介業に携わっていたブローカーに聞いてみた。

「国際結婚そのものには詳しくないですが、おそらくメールを出した先の男性のみをターゲットにしているのだと思います」

 しかしホームページはあるし公開で希望者を募っている。

「いえ、ホームページは公開されている情報だと安心させるためのダミーですね。この手口は『アメリカで働ける』とかで現地人を騙す東欧や中央アジア、東南アジアの海外就労詐欺と同じです。メールを出しても電話をしてもDMを受け取った本人でなければ応答はないでしょう。引っ掛かりそうなカモだと思われたのなら返事は来るかもしれませんが」

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