仲が悪くなったきっかけについて語るこぼん師匠

仲が悪くなったきっかけについて語るおぼん(写真:小倉雄一郎)

──そもそも、仲が悪くなった理由は何なのですか。

こぼん:まぁ、長年連れ添った夫婦の倦怠期みたいなもんですよ。長い倦怠期ですけど(笑い)。長年一緒にいると、箸の上げ下ろしから何から、いちいち気に入らんようになってきますでしょ。あれと一緒。

おぼん:17歳で上京してデビューしましたけど、10代の頃からケンカはしてましたから。当時はウデに技術がなかったから、それでケンカ。「おまえの突っ込みが悪い」とか言って。

こぼん:名古屋の映画館で舞台の後、殴り合いの大ゲンカになったことがありました。あれが最初の大ゲンカでしたね。三笑亭夢楽師匠(故人)が「まぁまぁ、仲良く仲良く」と仲裁に入ってくださっておさまりましたけど。

おぼん:当時は若かったから兄弟ゲンカみたいなもんです。これまで何回もそうやってケンカしてきましたけど、バチーンとぶつかったらある程度気がすんで、何となく仲直りして。そういうのが何回かありました。

こぼん:どっちかが引かないかぎり、おさまらない。

おぼん:3〜4年、口きかんようになったこともありました。

こぼん:その都度、マネージャーや相談しにいった人が「まあまあ、もうちょっとやった方がいいよ」と取り持ってくれた。そういう人に恵まれていました。それに、このコンビやからできた仕事がありますから。

おぼん:2人でやっていれば、お金になりましたから。でも、長年やってたら、お互いいろんなことが溜まってくる。7年前に家のローンが終わって、前の結婚で授かった子供の養育費の支払いも終わったら、肩の荷が下りて我慢できなくなった。それまで月100万円以上支払ってましたから。

こぼん:僕は、もういつやめてもいいと思っていました。貯金もある程度できて、年金もらえる年になったしね。

おぼん:オレはそんなんで満足しない。年金なんか関係ない! 死ぬまで売れたい。

──死ぬまでこのコンビでやるには、おぼんさんがもう一度借金を背負うとか……?

おぼん:それはしんどい(笑い)。嫁はんと一緒に豪華客船に乗って、世界一周することを楽しみにしてがんばるかな。豪華客船は仕事で何回も乗ったことがあるけど、嫁はんとはないから。

こぼん:やっぱり嫁と温泉旅行かな。上げ膳据え膳で。今でもちょこちょこヒマができると、熱海や湯河原に行ってますけど、ウチは犬がいるから旅館を探すのが大変なんです。昭和48年に結婚しましたから、この10月で金婚式。

おぼん:オレは結婚3回目やけど、今の嫁はんとは40年以上ですよ。

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