ヤクルト、巨人、阪神で4番を打った広澤克実氏も「開幕戦であんな負け方をしたので歯車が狂っただけでしょう」と前向きな言葉を口にする。
「野球は打つ、投げる、走るといった目に見えることのみならず、流れ、勢い、リズム、運といった目に見えない部分が勝敗に影響する度合いが大きいんです。ここまでの阪神はその“見えない部分”が悪いですね。野球は7点差をひっくり返されることもある。7連敗、8連敗、9連敗することもある。それが野球の怖さなんです。
矢野監督はこれまで、選手が打てばベンチで“ヤー”とか“オー”とか騒いできたが、今は神妙な顔でゲームを見ている。それでいいと思います。野球の怖さがわかれば、バカみたいな喜び方はできないと思うんです。勝った時も同じように神妙な顔でいい。これが勝負事なんですよ。開幕から連敗して試練を与えられたが、これから何連勝しようが今の気持ちを忘れないことが重要だと思いますね。ひとつのミスが連敗につながり、ひとつの油断が連敗になると思えば、バカ騒ぎできない」
そう話したうえで広澤氏は、この先に矢野監督がやってはいけないこととして、「小手先の打順変更」を挙げる。
「矢野監督は、打った打てないで打順をコロコロ変えるようなことはやってはいけません。選手は落ち着きませんから。1番は近本(光司)で、4番は佐藤(輝明)、5番・大山(悠輔)。そう決めたからには、最後までいくくらいのつもりでやる。そのうち誰かがダメならBクラス。そういう覚悟してやるしかない。開幕のつまずきを挽回するのはそれしかない」
矢野監督はこうした期待に応えることができるだろうか。