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免疫低下で発症する、痛い「帯状疱疹」 50歳以上でリスク高まる

「帯状疱疹」について白鴎大学教授の岡田晴恵氏が解説

「帯状疱疹」について白鴎大学教授の岡田晴恵氏が解説

 今もその対応に悩まされている新型コロナウイルスだけでなく、人類は様々な感染症とともに生きていかなければならない。白鴎大学教授の岡田晴恵氏による週刊ポスト連載『感染るんです』より、「帯状疱疹」について解説する。

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 感染症対策の岡田晴恵です。

 この連載で私自身が「破傷風トキソイドワクチン」を接種したことはお話ししましたが、コロナ禍で私が「打とう!」と思ったワクチンの1つに50歳以上から接種できる「帯状疱疹予防ワクチン」もありました。こんな時期はストレスで免疫も下がって、帯状疱疹を発症しやすくなるからです。

 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって起こる病気です。通常は右側、または左側のいずれか一方に、まずはチクチク、ピリピリ、ズキズキというような神経痛が出て、その痛みのある部分に赤い斑点のような皮膚症状があらわれます。

 その後、赤い斑点の中に水ぶくれができ、破れてただれたような状態になって、最終的にはかさぶたになります。これに伴う痛みも、強くない軽症から、水ぶくれが多数出て強い痛みを伴う中等症、さらに重症となると水ぶくれが大きくなり全身に出て痛みも激烈となり、入院治療が必要となることもあります。さらに合併症としては「帯状疱疹後神経痛」もあり、皮膚症状のおさまった後にも痛みが続くことがある、要注意の病気なのです。

 この水痘・帯状疱疹ウイルスに最初に感染したときの病気が、水痘です。ポスト世代の皆さんは、子どものときに“かゆ~い水ぼうそう”を経験した方がほとんどでしょう。

 日本では、主に冬から初夏にかけて、小児を中心に流行を繰り返していました。はじめは「虫さされかな?」というくらいの小さなブツブツができ、それが大きくなって水ぶくれになり、4、5日経つとはじめにできたブツブツがかさぶたになります。痒みがあってもかさぶたをはがさないようにして1週間ほど過ぎると、自然にかさぶたが取れて治っていきます。

 ところが、こうして水ぼうそうが治った後も、このウイルスは体内の知覚神経節に終生潜伏感染して居座るのです。そうして免疫が低下すると、帯状疱疹という今度は“いた~い病気”を発症するのです。これは嫌ですよね。

 2014年から水痘ワクチンは国の定期予防接種となって、1~2歳児を対象に2回接種が(3か月あけて)行なわれています。しかし、それ以前の日本人の多くが子どものときに水ぼうそうに罹って、体内にウイルスをもっています。さらに50歳以上になると、帯状疱疹を発症するリスクが急に上がってきます。事実、帯状疱疹の患者さんの約7割が50歳以上の方々です。

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