「深夜24時に夕飯をとり、朝までテレビや映画を見て過ごす。ベッドに入るのは早朝6時頃で、6時間ほど睡眠をとり、昼の12時頃から一日が始まるんです。
結婚当初は一緒にいられることがうれしくて、彼の生活リズムに合わせていました。でも半年もすると原因不明のじんましんや頭痛、下痢に悩まされるようになったんです。お医者さんから自律神経の乱れが原因だと言われ、それからはちーたんに合わせず、夜に寝る普通の生活リズムに戻しました」
さらに、几帳面さにも驚いた。
「リモコンはテーブルの端に背の順に並べますし、洗濯物はパンツと靴下以外は全部クリーニングに出すんです。肌着だって出していますよ。あとは、外出するときは美容院で髪の毛をセットするんです。友人との食事や病院の定期健診に行くときもセットするので、月に10回ほどでしょうか。そのくらい美意識が高いから、オヤジ臭はまったくしない。赤ちゃんのミルクのような香りがしています(笑い)」
著書ではふたりの日常がコミカルに描かれているだけではない。あまたの夫婦が直面する問題にも触れている。タイトルは『子どものこと』。ほかのページとは雰囲気が異なり、せりふのないコマが続く。
「一般的にも、結婚すると『子供はどうするの?』と聞かれることが多いですよね。これまで取材でもよく聞かれましたが、『考えたことがない』とごまかしてきました。でも、本当は結婚当初は『女の子がいいな』『名前は何にしようか』などと夫と話していて、ふたりとも妊娠を望んでいました」
しかし、結婚3年目に加藤がパーキンソン症候群を発症したことで、治療に専念しなくてはならなくなった。次第に夫婦の間で、子供について話さないのが暗黙の了解になったという。結婚8年目のある日、気持ちがあふれたのは加藤だった。