刺激の方法も改良され、DTMという3~4種類の刺激法を同時に行なう。このDTMは神経の周囲を取り囲んでいるグリア細胞にも作用する可能性が示唆されている。
そのグリア細胞に炎症が起こると活動が活発になり、炎症性サイトカインを大量に分泌、神経にも炎症を起こす。しかし、DTMを実施するとグリア細胞の活動の抑制が可能となり、神経の炎症を抑え、痛みの軽減に繋がるのでは、と考えられているのだ。
グリア細胞は胸椎付近に多く存在するので、腰の痛みであってもリード線は胸椎の辺りに留置する。
現在、SCSは脊柱管狭窄症手術の合併症や術後再発した症例以外にも、脳卒中後の痛みや帯状疱疹後神経痛などの治療の選択肢の一つとしても普及が検討されている。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2022年4月22日号