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高齢・持病ありでも入れる「引受基準緩和型保険」の落とし穴 保険料が保障上回る例も

「引受基準緩和型保険」とはどのような保険か(イメージ)

「引受基準緩和型保険」とはどのような保険か(イメージ)

「『85歳からでも、持病があっても入れます!』そんなテレビCMを何度も見て、これは得かもしれないと思ったんです。自分の死後、家族にはせめて葬儀費用だけでも残したいとの思いがありましたから。ところが加入後、資料をじっくり読むと、保険金の受け取りなどに制約がいろいろあることに気付いたのです」

 70歳男性Aさんはそう語る。近年、生命保険各社から「何歳からでも」「持病があっても」加入できることを謳い文句にする様々な商品が発売され、テレビCMや新聞広告を頻繁に目にするようになった。

「これらは引受基準緩和型保険(以下、緩和型)と呼ばれるもので、終身、定期、医療保険などがありますが、いずれも加入するハードルが低く設定されています。契約の可否を決定する引受基準が緩いので、持病や入院・手術の経歴があっても加入できる。

 ただし、月々の保険料は通常より1.5~2倍ほど高く設定されています。また、緩和型の多くが加入後1年間の支払い削減期間を設けており、その間に入院や手術をしても給付金が50%に減額されてしまうことにも注意が必要です」(ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏)

 冒頭のAさんは「入院日額3000円」の医療保険(保険料月額4300円)と、「死亡保険金100万円」の終身保険(同8300円)に加入したというが、どんな点に注意が必要だったのか。長尾氏が解説する。

「まず、医療保険には入院の支払限度日数があります。具体的には、1入院あたり60日、通算で1000日までとしている保険商品が多い。仮にAさんが80歳時点で連続100日間入院しても、入院給付金は18万円しか出ません。一方、それまでの10年間に払う保険料の総額は51万6000円に達します」

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