ほこりだけじゃない!

 ダニはハウスダストの中だけでなく、実は食品の中にもいる。

「封を切ったまま、常温で保存している粉物(お好み焼き粉やたこ焼き粉、ホットケーキミックスなど)に、ダニは増殖します。ダニ入りの粉を使って料理を作り、アナフィラキシーショックを起こす“パンケーキシンドローム”が近年増え、問題視されています」(高岡さん)

 封を開けたたこ焼き粉1gにダニが1万5000匹以上いたという調査結果もある。

「粉物は焼くから大丈夫だと思われがちですが、熱を加えてもアレルギー物質の活性は減りません」(高岡さん)

 粉物が余ったら密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存しよう。

【プロフィール】
農学博士・川上裕司さん/東京家政大学大学院人間生活学総合研究科家政学部環境教育学科非常勤講師・客員研究員。国立病院機構相模原病院臨床研究センター客員研究員。生活環境にかかわる有害生物 (微生物や害虫)を研究。共著に『博物館・美術館の生物学 —カビ・害虫対策のためのIPMの実践—』(雄山閣)など。

医学博士・高岡正敏さん/日本獣医畜産大学卒業後、東京大学医科学研究所寄生虫研究部でダニの研究を始める。2008年埼玉県衛生研究所を定年退職後は、アレルギー疾患の治療法と予防法を確立するために(株)ペストマネジメントラボを設立。主な著書に『お父さん、お母さんが知っておきたい ダニとアレルギーの話』(あさ出版)など。

医療環境管理士・松本忠男さん/プラナ代表取締役、ヘルスケアクリーニング代表取締役社長。日用雑貨メーカー・エステーと共に「拭く」をテーマに正しい清掃・除菌方法を広める「福育活動」に取り組む。『病院清掃35年のプロが教える 病気にならない掃除術』(幻冬舎)など著書多数。

取材・文/土田由佳

※女性セブン2022年6月2日号

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