警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ロシアのウクライナ侵攻に伴うロシア産品の輸入困難な状況から今後、増加が懸念されている日本の海での密漁について。
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ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、ロシア産の水産物の輸入減少への懸念と国産の不漁などが複合して、国内では水産物の価格が上昇している。特にサケやマス、カニに影響が出ており、東京都中央卸売市場では高値が続いているようだ。カニ輸入にしろ国産にしろカニの価格が高騰し続ければ、密漁が増えるかもしれない。そこで、ある暴力団の元組長A氏に密漁について話を聞いた。
「今はもう辞めてしまったヤクザが多い」というが、「オホーツク海では昔、定置網や刺し網のブイに代紋が入っていた。その下は全部、組のモノだ。当時の密漁はそれぐらい儲かった」とA氏は語る。刺し網といえばカニ漁だ。
ブイに代紋が入っていたというのは、さすがに昭和の頃の話らしい。そのようなブイがいくつも並ぶ海を見て、漁師たちはどう思ったのだろうか。今は獲れる量も減り、安い輸入品が増加、燃料代は高騰し、取締りも規制も年々厳しくなってきた。儲かっていた頃とは時代が違い、密漁しても割に合わなくなったようだ。密漁を行っていたヤクザたちの高齢化も理由の1つらしい。
「密漁はヤクザとテキヤで分けるなら、テキヤの仕事だ。テキヤは季節モノ、密漁もモノによって時期が限られている。昔はある時期、組の事務所に電話すると、『今、コンブ漁に出ている』という返事があったくらいだ。組によっては、密漁がシノギの中心だった所もある」
コンブも獲れた場所や質、大きさなどにより、良い品はかなりの高値がつくのである。