2人での「ヤー」(左から肥後、寺門)
当初、上島さんは役者の道を諦めることに無念の表情を浮かべていた。背中を“押した”のは寺門だった。
「万が一、世に出るようなことになったら、そのときにまた好きな芝居をやればいいじゃないか」
その言葉通り、ダチョウ倶楽部が国民的人気を誇るようになると、3人はそれぞれ役者としても活躍し始める。なかでも上島さんは、人気ドラマへの出演が続いていた。『怪物くん』(2010年・日本テレビ系)のオオカミ男役をはじめ、近年では『真犯人フラグ』(日本テレビ系)での不気味な謎の男役で注目を浴びる。
今クールも『恋に無駄口』(テレビ朝日系)や『家政婦のミタゾノ』(テレビ朝日系)などに出演しているが、3人が同じドラマに出演するのは5年ぶりのことだった。その『やんごとなき一族』で3人は、主人公を幼い頃から見守ってきた、おじさんのような存在という大事な役回りだった。
「監督は現場でのアドリブを大歓迎していて、3人で『こうしたらもっと面白くなるんじゃないか』などと話し合って、せりふが足されていました。結成から35年以上たっても変わらない仲のよさで、まさに“和気あいあい”といった雰囲気でした。上島さんは撮影の際、『やっぱりドラマの撮影は楽しいですね』とお話しされていたんですが……」(前出・ドラマスタッフ)
残された肥後と寺門の精神状態を考えると、相当な心労を抱えながらのドラマ出演となったはずだ。それでも、最後までドラマに出続ける決意をしたのは、上島さんと誓った“求められたことを全力で”というダチョウ倶楽部の“お約束”があるからだろう。天国にいる上島さんは、そんな2人の“芸人魂”を見て、ウズウズしているのではないか──そう思わずにいられない。
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※女性セブン2022年6月16日号