根尾は大阪桐蔭高で投手、遊撃の二刀流で2年春、3年春、3年夏の全国制覇に大きく貢献。2017年、2018年のセンバツでは2年連続で決勝戦のマウンドに登り、胴上げ投手となった。当時の根尾を取材したスポーツ紙の記者はこう振り返る。
「いい球を投げていましたよ。でも、スケールの大きさを考えると遊撃で育てたいというのが各球団のスカウトの見方だった。本人も野手一本でプロの世界に入っているので、遊撃で成功してほしい思いはあります。今の起用法だと中途半端になってしまう。野手でレギュラーを取るまでは二刀流を封印してほしい。投手をやらせるならオフに転向して本格的に技術を磨くべき。センスで抑えていますが、変化球の精度はまだまだだし、投げ込むことで制球力も身につく。首脳陣がどう判断するかでしょうね」
投手からプロ入り後に野手に転向した選手は少なくないが、野手から投手に転向したケースは極めて珍しい。現役の選手ではオリックス・張奕、日本ハムの育成枠・姫野優也のみ。張奕は2016年の育成ドラフト1位で外野手として入団したが、2018年途中から投手で登板し、2019年に本格的に転向。同年5月に支配下登録され、今季は救援で7試合登板して防御率1.86の好成績を残している。
立浪和義監督は「投手をやるのであれば将来的には先発ということは思っている」と、投手転向構想があることも言及している。根尾が輝くポジションはどこだろうか――。