ライフ

認知症による「資産凍結」を防ぐ家族信託のメリット 「カドの立たない遺言」に

認知症になる高齢者が増える今こそ「家族信託」について考えたい

認知症になる高齢者が増える今こそ「家族信託」について考えたい

 高齢化によって長引く介護費用や高額な医療費は多くの人が頭を悩ませる問題だ。家族を巻き込んだ争いが起きるケースもある。

「介護施設に入る費用や、高額な医療費が親に発生した場合、子供のきょうだい間で誰が費用を出すのか、揉めごとに発展することがあります。また、配偶者の意見で、お金を出すに出せないこともあります」(ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士の川部紀子氏)

 トラブルに発展しうるのは、親にお金のない場合だけではない。親が十分にお金を持っている場合にも起こりうる。それは、「認知症」になった場合だ。認知症になると判断能力がないとされてしまい、自由に預貯金を下ろすことや、資産を売却するなどして取り崩すことができなくなる「資産凍結」に陥ってしまう。認知症は年々増えており、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれている(厚生労働省『2017年版 高齢社会白書(概要版)』)。

 この「資産凍結」を防ぐ手段としての一つに家族信託がある。

 家族信託の仕組みはこうだ。預貯金や不動産などの財産を持つ親が、所有権を維持したまま、子供や配偶者などに「管理」を任せることができる。その信託財産から生じた家賃収入や売却代金などを得る権利(受益権)は親にある。信頼できる家族に財産を管理してもらうことで、資産を「凍結」することなく生かすことができる。

 2007年の法改正を活用した制度で、近年では弁護士や、司法書士、税理士事務所だけでなく、IT系ベンチャー企業の参入により、以前より安価な家族信託サービスも増えている。

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン