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日本で「稼げるスポーツ」「稼げないスポーツ」の違い もし子供にやらせるなら何が正解か

いまの日本球界トップの年俸は田中将大投手で、推定年俸9億円(写真/共同通信社)

いまの日本球界トップの年俸は田中将大投手で、推定年俸9億円(写真/共同通信社)

 サッカーのリオネル・メッシ(アルゼンチン)、クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)、ネイマール(ブラジル)、バスケットボールのレブロン・ジェームズ(米国)、ステファン・カリー(米国)、ケビン・デュラント(米国)、テニスのロジャー・フェデラー(スイス)……。世界のトップに君臨するプロスポーツ選手たちは、いずれも日本円換算の総年収が100億円以上ととんでもない大金を稼いでいる。では、日本において最も稼げるスポーツは何なのか?

 そもそも、“稼げるスポーツ”と“稼げないスポーツ”の違いのカギを握るのが、競技そのものに魅力があって、“見るスポーツとしての市場”があるか否かだとスポーツマネジメント分野に詳しい、産業能率大学情報マネジメント学部兼任教員の須賀優樹さんは言う。

「その魅力を測る目安が、地上波放送で1年に何回放送されたかのデータ。スポーツ白書によれば、NHK独占放送の大相撲以外だと、ゴルフ、サッカー、野球、競馬の放送が多く、テニス、フィギュアスケートが続きます。放送で注目度が上がり、企業からのスポンサー収入などでお金が集まる競技なら、プロスポーツとして成立しやすい。

 プロとして生活できる市場規模として、年間最低でも数十億円単位は欲しいですが、日本の場合はプロバスケットのB1リーグで約100億円市場、プロサッカーのJ1で約800億円市場、プロ野球で約1500億円市場。なかでも野球は、引退後にコーチなどでベンチ入りの可能性もあり、安定して生涯稼げるスポーツといえるでしょう」(須賀さん・以下同)

「プロ野球の推定年俸ランキング」で上位に入っていなくても、(チームで差はあれど)平均年俸3000万円程度で、10年プレーしたとして生涯収入3億円。このレベルを100人単位で稼げるスポーツはそうそうない。

「個人競技では、シニアもあり選手生命が長いゴルフが挙げられます。逆に激しいコンタクトの多いスポーツは選手生命が短く、若いときに稼がないと生涯収入は上がらない。これ以外の陸上や水泳、マイナー競技でプロとしてやっていけるとしたら、どの大会でも優勝できる実力の持ち主で、個人にスポンサーがつき、グッズ販売で稼ぐなど、自分の商品価値を現金化する才覚がある選手でしょう」

 ただし、クラブや企業チームに所属したり、昼間は仕事をする会社員であれば月給は出続け、安定的なスポーツ活動が可能だ。その一方、企業やクラブに所属せず労使関係がない個人競技者の場合、大会に出て賞金を稼ぐ単発的な活動になりやすい傾向がある。たとえば日本女子ゴルフの賞金ランキングを見ると、20代で2億円を稼ぐ選手が何人もいて一見華やかだが、その裏に個人競技ゆえの厳しさもあることを知っておきたい。

 では、上記以外で「稼ぐこと」を眼目として、子供にやらせるとしたら──。

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