コラム

ママやお友達を叩いちゃう。手が出る子どもにどう注意する?

ママやお友達を叩いちゃう。手が出る子どもにどう注意する?

わが子が家族や友達のことを叩いてしまう…。子育てに答えはないと言われますが、攻撃的な子どもの行動には戸惑ってしまいますよね。
また、なぜそんなことをしてしまうのか、どうしたらやめさせられるのかに悩み、不安に思う親も多いことと思います。
ここでは、子どもが叩く理由や、手が出てしまう子どもへの対応についてご紹介します。

子どもが親や友達を叩くのはなぜ?

子どもは2~3歳頃になると、親や友達を叩いてしまう場合があります。
私たち大人の視点から見ると「叩く=攻撃的な行為」と思いがちですが、子どもにとって「叩く」理由は必ずしも攻撃的な意図があるとは限りません。子どもが叩く理由はさまざまなので、まずはなぜ叩いてしまうのか考えることからはじめましょう。

子どもはどんな様子で「叩く」行為をしている?

子どもが人を「叩く」とき、どんな様子でしょうか?いかにも攻撃的な様子で他人を叩く子もいれば、相手は嫌がっているのにもかかわらず自分は楽しそうに叩いている子もいるかと思います。
発達心理・児童心理の発展に大きく貢献したスイスの心理学者ピアジェによると、2歳~7歳の子どもは論理的思考力や共感力が未発達であり、自己中心性が高いとされています。つまりこの頃の子どもは、次のような特徴を持つがゆえに、叩く行為をするのです。

叩く行為がいけないことだとまだ理解できない

叩く行為を遊びのひとつだと捉えている(自分は楽しいから相手も楽しい)

思い通りにならない事に対する攻撃(自己中心性が高い)

叩くのは子どもからのメッセージかもしれない

ある程度年齢を重ねると、子どもは「叩くことはいけないこと」と認識できるようになります。しかし、自分の意思表示の方法が分からない時や、語彙力が拙いために言葉で感情を表現することができずに、叩いてしまうこともあり得ます。
このような場合には、子どもは「叩く」行為を通じて、なんらかのメッセージを周りに伝えようとしていることもあるのです。

子どもが叩くのは発達障害?関わり方に問題があるの?

中には「子どもが叩くのは発達障害が原因なのか?」「育て方に問題があるのか?」と不安に思う方もいるでしょう。確かに、発達障害の中には周りに手を出してしまう子もいますが、手を出すからといって必ずしも発達障害であるとは限りません。

また、親の虐待やネグレクトにより愛着障害を引き起こしてしまうことで、攻撃的な側面が見られる可能性もあるでしょう。愛着障害に関しては虐待やネグレクトだけではなく、親の無関心さや厳しすぎる躾などが起因となっているケースもあります。
いずれにしても素人が判断することは難しいため、専門家に相談することをおすすめします。

子どもが友達を叩いてしまった時、どうする?

もし、子どもが友達を叩いてしまった時、どのように対応すればいいのでしょうか?つい厳しく叱りつけたくなってしまうものですが、不適切な対応をしてしまうとかえって逆効果になる場合があります。

頭ごなしに叱ることや叩いて分からせるのは逆効果

頭ごなしに叱ることや、子どもを叩いて分からせるのは逆効果です。これは、叩くことを悪いことだと思っていない子どもには、「叩く=いけないこと」と理解できるようになるかもしれません。しかし、すでに叩くことが悪いことだと理解している子どもに対しては不適切でしょう。

叩くことには、何かしらの意味やメッセージが込められています。しかし、親がその行為をいきなり全否定してしまうと、子どもは「自分のことを理解してくれていない」「なんで自分よりも相手の子を大事にするの?」「パパママが叩くのはいいの?」と感じてしまうでしょう。

まずは叩いた理由を聞いて、心に寄り添う

いずれにせよ、叩くという行為は許されることではありません。しかし、まずはなぜ友達を叩いてしまったのか理由を聞いてみましょう。理由を聞いて心に寄り添うと同時に、だからといって叩くことは許されないことだと教えてください。

叩くのがダメな理由、どうすべきだったかを一緒に考える

友達を叩いてしまった場合は、まず「○○だから悲しかったんだね。よく分かったよ。でも友達を叩くことは決してしちゃいけないよ。まずは友達に謝ろうね。」などと、友達に謝ることを教えましょう。その後に、どうすればよかったのかを一緒に考えます。

親は答えをすぐに教えることはせずにヒントを与えながら、答えに導いてあげてください。そうすることで、次に同じようなことが起こった際にも対応できるようになるでしょう。

子どもが叩くことで表現しないために日常でできること

叩くことが良くないと理解している子どもが叩く行為をしてしまうのは、どうしてでしょうか。それは言葉で自分の気持ちを上手く表現できないことが大きく関わっていると言えます。
以下に、日常的にできる工夫や心の持ちようについて考えてみましょう。

親と一緒に表現方法を学ぶ

自分の気持ちの伝え方を子どもと一緒に訓練することは、日常の生活の中でもできることです。しかし、一方的に教えこむ必要はなく、遊びの中で少しずつ身につけていきましょう。

例えば、「ごっこ遊び」やおままごと、○○やさんごっこなどを通じて、人とのやり取りの方法を楽しみながら覚えていくように促してください。また絵本の読み聞かせや、子ども向けのアニメを見ることも効果的です。

ちょっとした子ども同士のトラブルは成長の機会と考える

子ども同士のケンカやトラブルはできれば避けたいと考えてしまうものですが、軽いケンカであれば、物事の良し悪しや人間関係を学べる良い機会にもなります。もちろん、やりすぎな場面には時に厳しくする必要がありますが、あまり神経質になりすぎず、子どもの成長の通過点と捉える気持ちも必要です。

時には専門家に相談も考えてみる

どうしても叩くのをやめることができない場合、もしかすると子どもの発達や心に原因があることも考えられます。そういった際には専門家に相談してみることも必要かもしれません。専門家に相談することで叩く子どもへの寄り添い方や、やめてもらうためのアプローチ方法などを具体的に提案してもらえます。

おわりに

子どもが人を叩く理由は、攻撃的な意図だけに限らずさまざまです。一見攻撃的に見える行動でも、深く掘ってみると寂しさを募らせていたり、不安に思っていたりといった心に行きつくこともあります。

そのため、まずは子どもの気持ちに寄り添うことからはじめてみてはいかがでしょうか?なお、表現方法が分からない子どもには、自分の気持ちを表現する環境を整えてあげる、表現方法を教えてあげることも大切です。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

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