芸能

『六本木クラス』の成功は平手友梨奈の「変化」にかかっている

派閥と嫉み…脱退の真相は?

難役に挑む平手友梨奈(時事通信フォト)

 名作のリメークは世界で行なわれているが、プロットが共通するゆえ、評価の軸は演者にかかってくることが多い。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。

 * * *
 竹内涼真主演のドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系木曜午後9時)が話題を集めています。何といってもNetflixで人気を博した韓国ドラマ『梨泰院クラス』の日本版リメークゆえに、2つのドラマを「比較」したくなるのは人情です。

 主人公・宮部新を演じているのは竹内涼真さん。韓国版主人公セロイのトレードマーク、イガグリ頭にした竹内さんを見た時は、「これで大丈夫なのか」という心配がわき起こりました。しかし、第一話が始まると竹内さんの役に賭ける強い意欲が伝わってきて、熱の籠もった演技と集中力に吸い寄せられました。正直、学ラン姿の高校生時代のシーンもちょっと引きましたが、視聴者が白けて醒めてしまう前に、何とか物語の中へと引っ張り込むことができたのではないでしょうか。

 考えてみると、本家『梨泰院クラス』の筋立てはある意味、シンプルな復讐劇です。それを16話にもわたって見せ切ることができたのは、個性的な登場人物たちの瑞々しい魅力がはじけていたからでしょう。

 例えば主人公のパク・セロイ(パク・ソジュン)は、ポカンとした無垢な少年の表情と復讐にかけるすさまじいエネルギー・怖さ、その非対称的な両面性が魅力的でした。一人の人間の中にある振れ幅や落差が、何ともいえない味わいになっていたのです。

『六本木クラス』でも、新という人物の複雑な魅力をどこまで浮き彫りにできるか。怒りが沸騰し暴走してしまう凶暴性と無垢な純粋さ、両極端の味わいを竹内さんがどこまで的確に表現してくれるか、期待したい。さすが元サッカー選手の竹内さんだけに、格闘シーンの身体はキレていて素早いアクションも印象的。加えて、因縁の相手・龍河演じる早乙女太一さんの、ひやりとする冷たさや不良ぶりもハマっていて相乗効果を生んでいました。

 一方、新の幼なじみで初恋の人・楠木優香(新木優子)はどうでしょうか?

 高校時代の優香を演じた新木さんは、どうやっても十代には見えなくて、ちょっとこの役はつらいかなと思いきや……。大人になり長屋ホールディングスのスタッフになった優香の演技は、なかなかハマっています。強い意志を内面に秘めた優秀なビジネスウーマンを新木さんがきちんと体現していて一安心。韓国版スア役のクォン・ナラさんの面影と新木さんがどことなく似ている点もアドバンテージと言えるでしょう。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン