「ワキ脱毛をしたら汗をかきやすくなった」との声も聞かれるが、医療的にはどうなのか。
「汗を出す『エクリン腺』と、レーザーのターゲットになる毛包は別の場所にあります。なので、汗をかきやすくなるということはありえません。脱毛前はわき毛に汗が付着してしっとりしていたのが、脱毛することにより直接肌で感じやすくなったというのが、そうした勘違いを生む理由の一つかもしれません」
メンズ脱毛の「噂」が気になり二の足を踏んでいた人も、安心できるのではないだろうか。では、女性の脱毛に比べて、施術の痛みや費用面はどう違うのか。
「女性と比較すると男性のほうが痛がる人が多い傾向にあります。どの部位でも男性の毛のほうが太いですし、肌の色も黒いことが多いので、黒に反応するレーザーを当てると痛みが生じやすいのです。クリニックなどでの医療脱毛では麻酔クリームを使って痛みを軽減する人もいます。
男性は毛の密度も濃く、施術回数は女性より多くなります。また、体のパーツも大きいため、女性よりも照射時間が長くなります。クリニックによっては、照射時間を短縮するために看護師2名体制で行う場合もあります。これが、女性の脱毛よりも費用が掛かる要因です」
割高になりがちなメンズ脱毛ではあるものの、最近ではリーズナブルな価格で施術を行えるサロン脱毛も増えてきている。脱毛を検討する場合は、肌の状態や予算を踏まえて選びたい。
【プロフィール】
花房崇明(はなふさ・たかあき)/千里中央花ふさ皮ふ科院長。1979年大阪府生まれ。2004年、大阪大学医学部卒業後、大阪府立急性期・総合医療センター、大阪大学皮膚科などを経て、2012年、大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学博士課程修了。米国留学を経て、2014年、JCHO大阪病院皮膚科医長。2015年、東京医科歯科大学皮膚科講師・外来医長/病棟医長。2017年、千里中央花ふさ皮ふ科を開院。2021年、分院となる江坂駅前花ふさ皮ふ科を開院。医学博士(大阪大学大学院)。日本皮膚科学会皮膚科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、日本抗加齢医学会専門医、難病指定医。
◆取材・文/吉田みく(ライター)