国内

「衆院議長に『統一教会の手伝いはやめてもらうべき』と進言」平野貞夫・元参議の証言

参院本会議で代表質問をする平野氏(写真は2003年/時事通信フォト)

参院本会議で代表質問をする平野氏(写真は2003年/時事通信フォト)

 安倍晋三・元首相の銃撃事件を機に、自民党と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係に注目が集まっている。しかし、現役議員たちはほとんどが説明を拒み、ふだんは雄弁な議員OBたちもこの件については一様に口が重い。そんななか、衆議院事務局から自民党に入党、新生党、新進党、自由党、民主党と渡り歩いた平野貞夫・元参院議員が、その実態を証言した。

 * * *
 私と統一教会、というより当時では勝共連合(統一教会の友好団体である政治団体)という認識ですが、そことの接点は過去2回だけあります。最初は私がまだ衆議院事務局の職員だった時、議長だった前尾繫三郎さんの秘書をしていた頃のことです。

 前尾さんが京都の事務所で行事があるというので、私も同行させていただいたのですが、その行事に事務所の人ではない者が何人も手伝いに来ていて、それが何かと聞いたら「勝共連合だ」と言うんです。それを知った私はすぐさま前尾さんに、「議長として相応しくないので、やめてもらうべきです」と進言したのです。

 私自身が勝共連合にどうこうという思いがあったわけではないのですが、そもそも議長というのは、議会での中立が求められる立場ですから、特定の勢力に肩入れするような態度を取ってはならない。勝共連合というのはその名の通り、共産主義に勝つ、反共団体です。ということは共産党や社会党に反対している勢力です。そういうところに地元の行事を手伝ってもらうのは議長として相応しくない、という意味です。

 私の進言を前尾さんはすぐ理解していただき、「そうだな」ということで、勝共連合の方たちに手伝ってもらうのはやめさせました。

 ちなみに前尾さんと統一教会の関係というのは、前尾さんは当時、渋谷の松濤に住んでいた。岸さんの家ほど近くはないが、渋谷には統一教会系の「世界日報」があったので、前尾さんが散歩しているときに勝共連合のメンバーを見掛けることがよくあったそうです。そうすると彼らは行儀もいいし姿勢もいい。礼儀もなっている。それを前尾さんが気に入られたそうです。「君らは姿勢がいいな」と。そのあたりから関係が始まったそうです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン