もう一人、代表的な「プリーツプリーズ」ファンといえばフリーアナウンサーでエッセイストの楠田枝里子だろう。筆者は『バイキング』や『バイキングMORE』(共にフジテレビ系)で度々共演する機会があったのだが、楠田さんも、ほぼ100%、「プリーツプリーズ」だったと記憶する。
生ワイドのコメンテーターやクイズ番組の回答者はバストアップで映ることが多いので、インパクトの強いデザインながらキチンとした印象もあるアウターが揃う「プリーツプリーズ」は衣装としても最適。
また、『バイキング』のように、ゲストの前にテーブルがない(つまり全身がカメラに映る)番組であっても、『プリーツプリーズ』はオシャレに魅せた。長身でスタイル抜群、短めなウィッグに原色の「プリーツプリーズ」を合わせた楠田さんの映りは常に最高だった。
百貨店や商業施設に入る『PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE』は敷居が低く、入りやすく、ハイブランドなのに購入しやすい価格のモノもある。衣装が自前であることが多い大人の芸能人には、この点も重宝なのではないだろうか。
「プリーツプリーズ」と共に大人気なのは、株式会社イッセイミヤケが運営する「BAO BAO ISSEY MIYAKE」のバッグである。三角のピースを組み合わせた特徴的なデザインは、中身に応じて変形し、機能性とデザイン性を合わせもつ。
「プリーツプリーズ」同様、小さく畳めるので、それこそ旅先に持参し、現地でのバッグとして使用することもできれば、エコバッグのように利用することもできる。特にトートバッグは大人気で度々品切れを起こし、購入できても「お一人様、一個」とされることもしばしば。ドラマや映画の撮影に入ると、「バッグは2個持ち、3個持ち」になると言われる女優たちの必需品で、メインバッグとしてもサブバッグとしても大人気である。スタイリングの主役としても脇役としても活躍するのは「プリーツプリーズ」と共通している。
この「BAO BAO」のコレクターともいうべきファンが、ミッツ・マングローブ。新色が出れば必ず買っていた時期があったようで、以前、『踊る!さんま御殿‼』(日本テレビ系)に出演した“親友”小島慶子が「買い過ぎていて心配」と言っていたこともある。
「プリーツプリーズ」も「BAO BAO」も芸能人に愛されたことで、一般の女性たちに広がっていった。体型も年齢も超えて、あらゆるシーンを彩る、ユニバーサルなデザインは今後も廃れることなく、さらなる進化を遂げていくことだろう。
三宅一生さんの御冥福をお祈り申し上げます。合掌。
◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)などに出演中。CM各賞の審査員も務める。