その3「不妊治療で苦労した甲斐があったね」
それが事実だとしても、身内やよっぽどの親友以外には絶対に許されないセリフです。身内やよっぽどの親友の場合でも、ほとんどの場合、あえて言う必要はありません。まして「トータルでいくらぐらいかかったの?」と聞くのは下衆の極み。親が高齢だと「子どもが成人するときには〇歳だね」という計算をするのが好きな人もいますが、本人がネタにしつつ自分を発奮させるのはいいとして、他人が心配することではありません。
その4「ということは〇月ぐらいに仕込んだんだね」
いつまでも中二の心を忘れないタイプの人にとっては、気になるポイントかもしれません。だとしても、口には出さず頭の中で計算するだけにしておきましょう。ここまでトホホなセリフだとむしろ微笑ましいですが、心配しているつもりで「予定日通りだったの?」と尋ねるのは絶対にタブー。親の側から「予定日より早かった(遅かった)」と話し始めることはありますが、その場合は「ぜんぜん大丈夫だよ」と明るく返しましょう。
その5「今の時代に生まれてくる子はたいへんだよね」
半端に意識高い系の若者は、しばしば「こんな世の中で子どもを産む勇気はない」なんてほざきます。世界の歴史の中で、今の日本は相対的には恵まれた環境にあると言っていいでしょう。はたして、どんな世の中なら満足なのか。このセリフも同類で、本人だけが「物事をわかっているオレ」にウットリしています。しかも、それを親に向かって言う失礼さに気づかないところが、救いようのないマヌケさに満ちていると言えるでしょう。
もし、ここにあげた5つのセリフのうち、3つ以上に対して「何がいけないのかわからない」と感じた人は、子どもができたばかりの人には近づかないほうがいいかも。無意識のうちに予想外の暴言を吐いて、取り返しのつかない事態を引き起こしそうです。
友人や同僚からの出産報告に対しては「おめでとう」の前に「おめでとう」なし、「おめでとう」のあとに「おめでとう」なし。ひと言加えるとしたら、「〇〇さんは、親バカになりそうだね」「かわいくて仕方ないでしょ」「どっちに似てるの?」あたりでしょうか。意味もなければひねりもない定番の質問こそが、嬉しさに包まれている相手への何よりの祝福です。