前述の通り、夜間は発砲できないほか、ヒグマを撃てるハンターの数も少ない。メンバーの高齢化も進んでいる。
近年は、害獣駆除を行なうハンターに厳しい目が向けられることもある。
道内で害獣駆除にあたる自治体関係者が複雑な表情で打ち明ける。
「道外からも『クマを殺すのはかわいそう』という声が寄せられる。ニュースで駆除が報じられると業務に差し障るほどの抗議が殺到し、精神的につらい。命の重さはもちろんわかっているが、人や牛を襲ったクマは駆除するほかない。狂暴化したヒグマの恐ろしさを軽視すれば、取り返しのつかないことになる」
クマとの戦いはこれからも続く──。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2022年9月2日号