「下着は2日間洗わず」
30代前半で4児の母親のサヤカさん(仮名)は、なんと夫公認で娘の下着を売っているという。
「子供の世話があるのでパートに出られず、最初は私の『母乳』を売りたいと夫に相談したら、猛反対。代わりに家族の様々な私物を売るようになりました。なかでも一番の売れ筋は小学4年生の娘のパンツです」(サヤカさん)
具体的にどう売買されるのか。
「ツイッターで、隠語のハッシュタグを用いて使用済み商品を告知すれば、その手の買い手は気づいてくれる。『白系のパンツが欲しい』などとDM(ダイレクトメッセージ)で問い合わせてくる買い手さんとやり取りします。交渉がまとまったら『今から出品します』と確認を取ってから、メルカリにハンカチなどダミーの商品写真を使って匿名で出品し、すぐに買ってもらう。金銭の受け渡しもメルカリを通せばスムーズだし、お互いの本名や住所を知られることはありません」(同前)
メルカリでは出品の際、お互いの名前を匿名に設定することができる。出品時はコンビニ等で送付票出力を行なうが、送り先は運送会社だけがわかる仕組みになっている。物品がメルカリを経由しないため、下着などのやりとりに“悪用”されているのが現状だ。
このような“悪用”の利用状況についてメルカリに聞くと、
「個別の案件に対する回答は差し控えさせていただきますが、メルカリではSNSなど外部のサービスへ誘導すること、また商品の詳細がわからない取引をガイドラインで禁止しております」(広報担当者)
との回答だった。
匿名性が高い市場だけに、取引されるのはパンツばかりではないとサヤカさんが続ける。
「子供用品はパンツだけでなく靴や靴下も人気で、子供の使用済みの学習用品もよく売れます。買い手に尋ねたら、『使い終わったノートを見て、自分の小学生時代を思い出してノスタルジーに浸る』とのことでした。本当に“それだけ”なのかはわかりませんが……」