──では改めて、女優としてデビューしていかがですか。
「Madonnaさんというメーカーさんでデビューさせていただいたのですが、デビュー作は売上ランキングで1位に入ることができ、2作目、3作目も順調だそうです。私はこの達成感を感じたかったんだ…と、改めてこの道を選んで良かったと思っています。会社も辞めたことだし、もう気兼ねなく女優としての活動をしていきたいです。もちろんバレエも」
──今もバレエは続けているのですね。
「もちろんです。私にとってバレエは、体の軸だけでなく心の軸を保つために欠かせません。自分の軸はぶらさないように、堂々と! 常に心がけていることです」
──今後、女優として挑戦したいことやそれ以外の目標などはあるのでしょうか。
「もうひとつの夢として、バレエ教室を開きたいというのがあります。バレエの先生は幼少時代からバレエ一筋の方が多いのですが、その点、私は学校も行ったし会社も勤めた経験があります。そんな経歴を持っていることは強みだと思うんです。学校の勉強を疎かにしてバレエに打ち込む子が多い中で、私はバレエと学習塾を併設させたりとか、バレエ以外の所作やマナーも学べる場にしたり…私にしかできないバレエ教室の方向性を開拓していきたいなって思っています」
安定した正社員という立場を捨て、女優の道を選んだ藤かんな。季節によって住む場所を変える美しい白鳥のように、今後も「私が美しく活躍できる場所」を目指して飛び立つ彼女を応援したい。
【了。第1回から読む】
聞き手/河合桃子 撮影/藤岡雅樹(本誌)