交番で情事を重ねる警察官は少なくはないようで…(写真は兵庫県警/共同通信社)

兵庫県警は不適切な行為に対して2017年、2020年に処分を発表(写真は兵庫県警/共同通信社)

男女が同じ仮眠室で休憩

 交番で性行為をした警察官は処分の対象となり、ほとんどが依願退職している。実名が出ることはなくても、全国紙やテレビ、ネットなどで何度も報じられることになる。

 代償が大きいにもかかわらず、なぜやめられないのか──。元神奈川県警警察官で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏はこう語る。

「20~30年前だと交番に女性警察官が就くこと自体がかなり珍しかった。2009年に警視庁が女性警察官の活躍の場を広げるためにと本格的に女性警察官が交番勤務に入るようになって、男性同様に夜勤もこなすようになりました。最近は女性警察官が増えたこともあり、交番勤務の経験を積ませる機会も増えています」

 交番勤務に就くと、指導役の先輩警官とペアを組むことになる。

「女性警察官の場合、交番では基本的に一人勤務はしません。先輩の男性警官とマンツーマンの勤務になります。交番勤務は女性がいる場合はほとんどが3人体制で、女性警察官はペアとして付いた男性警察官とはパトロールはもちろん、食事も休憩も一緒です。

 交番の2階や事務室の奥は仮眠室になっていて、枕を置いて制服を着たまま横になって1~2時間の仮眠をします。新しい交番では仮眠室が男女別に造られているところもありますが、古い交番だと男女が同じ仮眠室で休憩することになる。そうした交番の特性も、性行為をしやすい場所にしてしまうのでしょう。たとえ仮眠の時間でも、警察官なら緊急事態が起こったらすぐに外に出られる服装で行為に及んでいるはずです」(小川氏)

 交番で性行為をした警察官らは「不倫関係」だったということも特徴としてある。小川氏が語る。

「女性警察官には30~40代のベテランと組ませることが多いので、結果として相手が既婚者である確率も上がってしまう。全国に警察官は26万人いますから全員がそうではなく、なかにはそうなってしまうケースがあるということです。

 交番勤務はある意味密室で、男性警察官と一緒にいる時間が長いのが不倫関係になる一因なのでは。勤務は当直、非番、休日、当直、非番、日勤の繰り返しで、24時間勤務の当直が1か月に10日ほどあります。朝の8時前に出勤し、非番になるのは翌日の昼。指導役の先輩とずっと一緒にいるので悩みを相談することもありますし、恋愛関係に発展しやすいところはあるでしょう」

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