動画制作の工夫を説明するケイタさん
──ケイタさんの企画力、編集力は大きいと感じます。
ケイタさん「ショートムービーの場合は、セオリーがあると考えているので、それにどう合わせていくか、試行錯誤しました。大きくバズる前も、そこそこ面白くて、ちょっとバズることはありました。でも、何かが足りないから目指している数字までいけないんだろうな、と、食べ物以外のものを試したり、第三者を立てたり、屋外に出るなどして、少しずつネタの構成要素を足したり、引いたり工夫していました。でも、社長はそもそも食べ物企画に、最初はあまり乗り気ではなくて」
ながの社長「その企画がそんなにバズるものなのか、会社の収益に繋がるのか、ピンときませんでした。経営者としては、経費も考えなければいけませんし。僕自身がSNSをもともと好きで活用していたわけではなく、ビジネスとしてSNS発信は必要だな、と考えていただけだったので」
ケイタさん「それで最初は小規模な弁当シリーズから始め、100円ショップで揃えられるグッズを使ったりしていました。内容としてはだいたいの流れはあっても台本はなく、『こういうリアクションをしてほしい』といった作り込んだ演出もしていません」
ながの社長「『おいおいおいおい!』『うまーい!!』とかも台本の台詞ではなく、自然に出てきた言葉です。狙ったわけではありません」
──それはすごいですね。
ながの社長「ケイタを雇用したのも、たまたま知人から紹介を受けただけで、建設業界に多少なじみがあり動画編集ができるから、というぐらいの理由でした。企画力や編集の技術力でふるいにかけて採用したわけではありません」
ケイタさん「僕のほうもたまたま『どこかに就職しようか』と思っていたタイミングで声をかけていただいたので、『いいかもな』というぐらいの感じでした。料理が上手? そうですか? 人よりはちょっとやるかな、という程度です。飲食のアルバイトをした経験もありません。ちょっと調理工程が難しそうだとか、作ったことがない料理をするときとかは、事前に試作することはありますけど」
──ながの社長とケイタさんの上下関係を感じさせない、フランクな掛け合いも楽しいです。建設業界は上下関係が厳しそうですが、動画撮影の時だけですか。
ケイタさん「いえ、普段も動画と同じような感じです」
ながの社長「ケイタとの関係は、動画制作を重ねていくなかで自然に培われたんじゃないか、と思います。僕は建設業界は上下関係に厳しい、というイメージがそもそも良くないと思っています。そういう体質が、建設業界に若い人たちが入ってこない原因でもあると思うので。そういうイメージを払拭したい」
ケイタさん「動画としては、敬語を使わないほうが笑いが生まれるのであればそのほうがいい、という考えで。僕のような人間を受け入れられない社長だったら、こんな動画は作れなかったと思うので相性が良かったんでしょうね」
ながの社長「敬語を使うかどうかは、人間関係を構築するうえで大事なことではないと思っています。敬語が絶対、と思っていたら、腹を割って話せないですよ。お互いへのリスペクトが前提にあればいいのでは」