国際情報

中国軍、軍備の高性能化に人材育成が追いつかず 兵器が兵士の能力向上を待つ状況に

ハイテク兵器を操作する人材の育成が追いついていないという

ハイテク兵器を操作する人材の育成が追いついていないという

 中国人民解放軍は近年、高性能兵器の開発を大きく前進させたものの、軍内ではこれらのハイテク兵器を操作する人材の育成が追いついていないという。そのため、多くの高性能兵器の持てる威力を発揮できず、兵器が兵士の能力が向上するのを待つ奇妙な現象が起こっている。これは中国人民解放軍機関紙「解放軍報」が報じたもので、同紙が軍の問題点について、率直に論評するのは極めて異例といえる。

 同紙は、中国軍北部戦区海軍のフリゲート艦の副艦長が新鋭艦の設備や軍備に対応できず、艦長に昇進するための実務試験に数年間、合格できなかった状況をルポルタージュ風に描写。中国海軍の人材育成が急速な装備の近代化に追いついていないというジレンマが垣間見える報告となっており、

「中国の国力上昇に伴い、中国人民解放軍も近年『富国強兵』を掲げ、全面的な軍備の近代化を急いでいるが、艦船の軍備の性能が年々進歩しているためそれに対応した人材育成が遅れがちで、高度人材の養成が急務となっている」

 と報じている。自動化やIT化が進んだ新しい艦船を扱うには、多くの乗組員が初歩的なレベルから訓練を受け直さなければならない状況だというのだ。

 このような現状についてはすでに指導部でも危機感が深まっており、中国人民解放軍の最高指導者である習近平・中央軍事委員会主席(国家主席兼党総書記)は、 昨年10月の第20回中国共産党大会での政治報告の中で、「中国軍は世界最高水準の戦闘力を構築する必要がある」と述べたうえで、軍の高度人材の育成の必要性を改めて表明している。

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン