ライフ

燃焼系、コラーゲン…サプリメントは本当に効くのか 医師「のむだけで体調に変化があるなら医薬品です」

(写真/PIXTA)

サプリメントに頼りすぎるのは危険(写真/PIXTA)

 日本人は世界でも稀に見る“サプリメント好き”と言われている。厚生労働省の国民生活基礎調査」によれば、サプリメントなどの健康食品を摂取している人の割合は、男性21.7%、女性28.3%で、もっとも利用者が多いのが50代女性の37.6%だ。

 しかし、「サプリメント」とは本来「補足、補充」を意味する英単語。すなわち、足りない栄養素を補うためにつくられたのがサプリだ。始まりは、脚気患者の血中のビタミン濃度が低いことがわかり、それを補おうとしたことだといわれている。形成外科医で『医者が家族だけにはすすめないこと』著者の北條元治さんは、「サプリはあくまでも補助的な役割でしかなく、充実した食事に勝る健康法ではないのです」と指摘する。

 糖質や脂質の代謝を促進したり、脳や神経の働きを正常に保つなど、成分自体にはさまざまな効果があることが立証されているビタミンB群も、サプリで摂取すると、その効果が得られない。薬学博士の生田哲さんが解説する。

「ビタミンB群は“燃焼系”などと名のつくサプリや健康食品に配合されていることが多い。しかし、日本で売られているサプリは肝心の有効成分の量が少ないため、のんでも効果を得ることは難しい」

 実際に「燃焼系」と表示する食品を販売するメーカーに意味を問い合わせたところ「人生を完全燃焼してほしいという意味です」と答えたところもあったというから、笑うに笑えない。

「肝臓が気になるあなたに」といったキャッチコピーも、効果は疑わしい。「しじみ100個分のオルニチン」などと書かれていることもあるが、オルニチンとはそもそもアミノ酸の一種だ。東京大学非常勤講師で『「健康にいい」ものばかり食べると早死にします』などの著書がある左巻健男さんは言う。

「サプリのオルニチンは、しじみから抽出されたものではなく、人工的に合成したケミカルなものです。そのオルニチンに本当に効果があるのか、もしくは副作用が出るのかは、データや大規模調査があるわけではなく、消費者が実験台になっているようなものです」(左巻さん)

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト