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「正直、毎日怖いです」 現役刑務官が明かす、日々の緊張感と職業人としての覚悟

過酷な勤務態勢や気を緩める瞬間のない受刑者との日々を聞き、圧倒される “オバ記者”こと野原広子さん

過酷な勤務態勢や気を緩める瞬間のない受刑者との日々を聞き、圧倒される “オバ記者”こと野原広子さん

 日本の刑務所で働く刑務官は、日々、どんな仕事をしているのだろうか。体験取材を得意とする女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんが、新しい更生プログラムを導入する刑務所「喜連川社会復帰促進センター」(栃木県)を取材。同センターに勤務する、事業総括業務責任者の八木澤洋介さん、調査官の青柳宏さん、首席矯正処遇官の植田岳さんに話を聞いた。【前後編の前編】

 * * *
オバ記者:一通り見学させていただきましたが、ショックでした。

青柳さん:(以下、青柳)初めて見学されれば当然ですよね。

オバ記者:「刑務所とはこういうところ」という予備知識を持って挑んだのですが、実際に訪れたら想像以上で。特に八木澤さんのような民間事業者のかたは、刑務官以上に緊張感があるんじゃないかしら。

八木澤さん:正直、毎日怖いですよ。でも、その緊張感を忘れちゃいけないと肝に銘じています。

オバ記者:どうやって克服されました?

青柳さん:“とにかく早く慣れよう”ですね。

オバ記者:どのくらいで慣れるものなんでしょうか。

植田さん:正直、いまでも慣れてはいません。

オバ記者:この職場を選んだ理由を聞いてもいいですか。

青柳さん:私は、父親の影響で、自分も世の中の秩序を保つ仕事に就くのも選択肢の1つだと思ったからです。

オバ記者:そういう気概があってもショックを受けましたか。

青柳さん:試験を受けて刑務官にはなりましたが、制服を与えられて現場に立たされるまで、どんな仕事をするのかイメージがわかなかったですね。この職に就いて初めて、見たことのない世界・空間だと感じました。

 受刑者はこれまでの人生で、まったくかかわりのない人たちばかりだったので戸惑いました。ただ仕事に就いた以上、覚悟を決めました。

オバ記者:腹をくくったんですね。

青柳さん:とてもストレスの高い職場なんです。八木澤が“怖い”と表現していましたが、われわれも完全に恐怖心が拭えているわけではない。ただ、立ち向かわなきゃいけないという気持ちは保てています。

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