──1967年に起きたナイジェリアの内戦の煽りを受けた難民に餓死者が続出したという……。
内戦の惨状と日本の古米余りの記事を、おふくろが読んで「余った米をビアフラに送ればいいじゃない」と呟いたのがキッカケなんです。翌日、「霞が関の外務省に『ビアフラへ米を送れ』ってハガキを送って!」と喋った。上司に無断だったから、内心ビビってた(笑)。だけど、3000通を超えるハガキが外務省に届いて閣議決定して支援の米が送られたんだから驚きました。
くだらない話ばかりしてた放送だけど、リスナーが聴いて笑ってくれることで信頼が築かれるんです。そのことは東日本大地震の際、いつもは世間話をしていたローカル局のアナウンサーが真剣に「逃げて」と訴えたから避難した方が多くいた逸話と重なると思う。
(第2回に続く)
【プロフィール】
亀渕昭信(かめぶち・あきのぶ)/1942年、北海道生まれ。早大卒。1964年ニッポン放送入社。1年間の米国留学を経て番組制作、パーソナリティ、編成デスクなどを務める。1999年ニッポン放送代表取締役社長。
聞き手/岸川真(作家)
※週刊ポスト2023年4月7・14日号