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妻が気をつけるべき将来のための相続税対策 「義両親から夫への相続」に注意、「特別寄与料」には高いハードル

相続税対策で注意すべき点は?(イメージ)

相続税対策で注意すべき点は?(イメージ)

 一筋縄でいかないのが「相続」だ。事前に準備をしていないと、思わぬ相続税が発生したり、親戚同士のトラブルに発展したりすることもありうる。特に、妻の場合は、「夫の両親からの相続」に気をつける必要がある。義両親(夫の両親)から息子(夫)への相続財産が大きければ必然的に、いずれ発生する夫から妻への相続財産も大きくなる。すると、思わぬ負担が生じる可能性がある。相続・終活コンサルタントの明石久美さんが説明する。

「義父から義母への相続は配偶者控除によって総額1億6000万円までは非課税ですが、そうして義母のものになった財産を夫が相続し、それに夫本人の財産も加わって妻が相続するとなると、場合によっては控除額を超えてしまう恐れがあります。

 財産次第では、義父から義母ではなく、直接夫に相続させてもらうのもいい。特に不動産は、同居家族であれば評価額が8割減になる『小規模宅地等の特例』が使えるか確認しておくといいでしょう」

「義両親から夫へ」の時点で、しっかりと相続税対策を取っておくことが、将来的に妻の負担を減らすことにもつながるというわけだ。相続実務士で夢相続代表の曽根惠子さんが言う。

「現金の生前贈与だけでなく、不動産も活用できます。預貯金をそのまま相続するのではなく、義両親にマンションを買ってもらったり、二世帯住宅にして、そこに住む。そうすれば、相続するときには評価額が時価よりも低くなり、現金で相続するよりも節税になります」

 一方で、不幸にも夫の方が義両親よりも先に亡くなってしまった場合、妻は夫の財産の一部を義両親に渡さなければならない。たとえ夫が遺言書で「妻に全財産を相続させる」と残していても、義両親には6分の1の遺留分がある。

「遺留分とは、法律で守られる最低限度の遺産分配割合で、侵害すると遺言書があったとしても遺留分侵害額請求をされることもあります。ただし、生命保険金は遺留分を算定する相続財産からは除外されるため、受取人を妻に指定しておけば、これは100%妻が受け取ることができます」(曽根さん)

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