テレビが最も輝いていた1980~1990年代、その中心にいたのはフジテレビだった。画面を彩ったフジの女性アナウンサーはアイドル顔負けの人気を誇ったものだ。そんな元フジのレジェンドアナ3人(寺田理恵子・河野景子・中井美穂)が、それぞれ期待する後輩アナについて語り合った(司会・構成/放送作家・山田美保子)。【全3回の第3回。第1回から読む】
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──そんな皆さんが気になっている後輩アナウンサーはどなたでしょうか。
寺田:個人的に山崎夕貴さん(35)がすごく好き! 自然体で全く媚びていなくて自分をしっかり持っている。『Mr.サンデー』から『人志松本の酒のツマミになる話』のナレーションまで、硬軟どちらもやれる人だと思います。
中井:やっぱり西山喜久恵ちゃん(53)が素晴らしい。昔と変わらないキャラクターのままで『めざましどようび』などで後輩たちを見守りながらしっかり指導もしている。「きょうのわんこ」のナレーションも、いまや喜久ちゃんにしかできない名人芸だと思います。
河野:私は永島優美さん(31)。ワイドショーからスポーツバラエティ、音楽特番まで華があって輝いています。インスタで披露しているダンスも本当に上手。あの頃にTikTokがなくて本当に良かった。“3人娘”でやりなさいと言われても、私はダサい踊りしかできなかったと思います。
──娘さん(白河れい)が出演されている『ぽかぽか』のアナウンサーはいかがですか?
河野:娘は『ぽかぽか』がテレビ初出演だったので、岸本理沙さん(23)や松崎涼佳さん(23)に色々教えていただいているようです。昔の『笑っていいとも!』の“テレフォンアナウンサー”のように、多くのタレントさんと共演したり、視聴者の皆さんに名前と顔を覚えていただいたりするから、励みになっていると思いますよ。
寺田:渡邊渚ちゃん(26)や佐久間みなみちゃん(25)は、私と同じ「生島企画室」に学生キャスターとして所属していたので、アナウンスを教えたことがあります。
渚ちゃんはいつもスッピンで飾らないキャラクターがとても印象的だったし、みなみちゃんは常に輝いていてオーラもすごくあったので、2人ともずっと忘れられない存在でした。やはり性格とか人間性って大事だと思います。喋るのが上手いというよりも光るものがある子っているんですよね。
──「女性アナウンサー30歳定年説」なんて言葉がありましたけれど、概して皆さんは逞しいし、ずっと輝いています。
中井:そう言っていただけると嬉しいです。まだまだ私たちも現役ですからね。
河野:こうしてフジテレビアナウンサーのOB同士で繋がって、刺激し合えるのも素敵なことです。
寺田:本当にそう。LINEのグループもあって、近況報告を見ると刺激を受けます。技術や仲間も含めて、フジテレビ時代の体験が代えがたい財産になっています。
(了。第1回から読む)
【プロフィール】
寺田理恵子(てらだ・りえこ)/1961年生まれ、東京都出身。1984年にフジテレビに入社。『オレたちひょうきん族』で2代目ひょうきんアナを務めた。現在は「心とからだ磨きの朗読教室」を主宰。7月1日に自身が脚本・プロデュースした音楽朗読劇「めぐり逢いはすべてを越えて」(東京・内幸町ホール)を開催。著書に『四季を感じる毎朝音読』など。
中井美穂(なかい・みほ)/1965年生まれ、東京都出身(ロサンゼルス生まれ)。1987年にフジテレビに入社。『プロ野球ニュース』や『FNNスーパータイム』に出演。2013年から「読売演劇大賞」の審査員を務めており、年間300本ほど観劇する。また、NPO法人『キャンサーネットジャパン』の理事としてがん患者の支援活動に精を出す。
河野景子(こうの・けいこ)/1964年生まれ、宮崎県出身。1988年にフジテレビに入社。『FNN World Uplink』でパリ特派員を務め、帰国後は『FNNスピーク』に出演。6月30、7月1日に開催される朗読劇『Dramatic Reading Live vol.2 VAVAVA YESTERDAY~忘れてしまった恋の物語~』(東京・BLUES ALLEY JAPAN)に出演。
司会・構成/山田美保子(放送作家)
※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号