愛工大名電に敗れた享栄の東松
「ずるいです」
アイデアマンたる倉野監督の構想に、口あんぐりするばかりだった。1台約500万円のバッティングマシンに加え、ラプソードの総額がおよそ300万円弱。最新機器や設備の投資総額は――。
「車1台分ぐらいですかね(笑)」
車は車でもスーパーカー1台分にはなるだろう。
「学校として導入しているわけでも、保護者から資金を集めているわけでも、私が購入しているわけでもない。後援者の方々にご支援をいただいています」
筆者はSNSを通じて東松に連絡を入れ、AI登載のバッティングマシンを駆使して攻略されたことを伝えた。すると東松自身もその情報は耳にしていたようで、わずか5文字の返信があった。
「ずるいです」
高校野球は新時代を迎えている。
♦取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)