芸能

2271名が選んだ『男はつらいよ』“好きなマドンナ”TOP5 大ファンの清水ミチコも“ベストマドンナ”を3人選出

清水ミチコが選んだ“ベストマドンナ”は

清水ミチコが選んだ“ベストマドンナ”は

 今なおDVDシリーズが売れるほど、時を超えて愛される『男はつらいよ』。50作も作られた同作の主人公はご存知「寅さん」(渥美清)だが、毎作品を彩ったのがマドンナたちだ。芸能界随一の『男はつらいよ』ファンの清水ミチコ(63)は言う。

「『男はつらいよ』は家庭の温かさや人情、恋愛のはかなさ、テンポやユーモアなども含めて、とにかく脚本が素晴らしい作品です。そして、その作品に華を添えるマドンナは、いつものとらやのメンバーに新しく投入されて、空気をガラリと変え、みんなを振り回す存在。そこで生まれる新鮮さやおかしみの中で、美しく凛としているという構図に、長年国民を飽きさせなかった理由があるのではないでしょうか」

 そんな清水が語るベストマドンナは誰か? 清水は3人をあげた。

●浅丘ルリ子(83)『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(1973年・第11作)

『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(1973年・第11作)

浅丘ルリ子は『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(1973年・第11作)に出演

「リリーと寅さんが結婚すればいいのにな、と本気で思っていました。寅さんとロマンチックな雰囲気になる女優さんはいても、口八丁でケンカも上等とばかりに五分に張り合えたマドンナは浅丘さんだけで、そこがよかったんですよね」

【あらすじ】
 旅回りの歌手・リリーは、北海道の網走で寅さんと出会い意気投合。牧場での仕事に音を上げて柴又へ帰ってしまった寅さんと、リリーは再会を果たすが…。リリーの初登場作品で、以後第15、25、48、49作にも登場。

●大原麗子(享年62)『男はつらいよ 噂の寅次郎』(1978年・第22作)

大原麗子さん出演映画ゆかりの地をめぐる

大原麗子さん

「『寅さんって、怖い人って思ったけど本当は優しいのね』というセリフに、『なんて可愛いんだ!』とときめきました。顔もしぐさも素敵ですが、やっぱりセリフが軽やかで涼しくて、いい声だなあとファンになり、もちろんあとからモノマネしました(笑い)」

【あらすじ】
 寅さんが柴又に戻った際、とらやで働いていたのが美しい店員・早苗。早苗は夫と離婚を決意し、寅さんの優しい心遣いに癒されていくが……。大原は第34作『寅次郎真実一路』でもマドンナ・ふじ子役を演じた。

●太地喜和子(享年48)『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』(1976年・第17作)

「ぼたんという名前の芸者という設定が、太地さんに似合っていたことを思い出します。ロケ地にもなじんでいて本当に住んでいるように見えました。きっぷの良さや底抜けの明るさに寅さんも安心できたでしょうし、存在感が素晴らしかったです」

【あらすじ】
 兵庫県龍野で、日本画の大家・青観と接待を受ける寅さんと出会った芸者のぼたん。その後、ぼたんは客だった男に貸した200万円を踏み倒されそうになり上京。憤慨した寅さんが一肌ぬぐことに。太地が姉御肌の芸者を好演。

読者2271名が選んだ「あなたの好きなマドンナは?」

『男はつらいよ』全作の台本まで読み『いま、幸せかい? 「寅さん」からの言葉』(文春新書)の編者である作家の滝口悠生氏は「ほぼ全てのマドンナが、強く、自立している女性として描かれている」と言う。

「たとえば、歌子は最初に登場した作品(第9作)で親に結婚を反対されても好きな男性と一緒に生きることを選び、次作(第13作)でその男性が亡くなってからは、自らの道を力強く歩む。1970年代に、そういう女性を吉永小百合さんに演じさせたところに、山田監督の意志を感じます」

 寅さんは常に“いい女”に惚れてフラれるが、

「決してそれだけの話じゃなくて、古い女性像に対して常に抵抗していたからこそ魅力的なマドンナたちと、寅さんの物語なんだと思います。その構図は昭和44年の第1作から平成9年の第49作まで一貫していました」

 と、滝口氏は語る。

 そこで、女性セブンの読者2271人を対象に、『男はつらいよ』シリーズの好きなマドンナは誰なのか、アンケートを実施したところ、1位となったのが吉永小百合。読者からは、「なんといっても日本を代表する永遠のマドンナ。清楚な美しさは時代を超えています」(47才女性)、「清楚というか可憐というか…、なんとも言えないあの存在感は永久保存版だと思います」(58才女性)といった声が寄せられた。

 続いて2位に浅丘ルリ子、3位に後藤久美子、4位に大原麗子、5位に八千草薫がランクインした。この中で、寅さんの甥・満男(吉岡秀隆)が思いを寄せる後輩の泉を演じたのが後藤久美子。読者からは、「優雅でありながらも力強い演技を披露し、寅さんとは対照的でありながらも、満男の人生に寄り添いながら成長していく様子が魅力的でした」(19才女性)、「寅さんに会ったときの『おじちゃま〜』の声がずっと耳に残っています」(58才女性)などの声が寄せられおり、シリーズ後期を支えた重要なマドンナと言えそうだ。

取材・文/秋月美和

※女性セブン2023年10月26日号

関連記事

トピックス

2件の暴行容疑で逮捕、起訴されていた石野勇太容疑者(32)。新たに性的暴行に関する証拠が見つかり、3度目の逮捕となった
《独自》「いい孫だったんですよ」女児に不同意性交、男児には“しょうゆ飲み罰ゲーム”…3度目逮捕の柔道教室塾長・石野勇太被告の祖母が語った人物像「最近、離婚したばかりで…」
NEWSポストセブン
狩野舞子
《元女子バレー狩野舞子》延期していた結婚発表のタイミング…大谷翔平との“匂わせ騒動”のなか育んだ桐山照史とステルス交際「5年間」
NEWSポストセブン
韓国籍の女子学生のユ・ジュヒョン容疑者(共同通信)と事件が起きた法政大学・多摩キャンパス(時事通信フォト)
【法政大学・韓国籍女子学生ハンマー暴行事件】「日本語が上手くなりたい。もっと話したい」容疑者がボランティアで見せていた留学生活の“苦悩”
NEWSポストセブン
2025年初場所
初場所の向正面に「溜席の着物美人」登場! デヴィ夫人の右上に座った本人が語る「観客に女性が増えるのは相撲人気の高さの証」
NEWSポストセブン
たぬかな氏が明かす誹謗中傷の実態
「ネットの誹謗中傷は止まらない」 “170cm以下の男に人権ない”で炎上を経験…たぬかな氏が分析する加害者の特徴とその心理
NEWSポストセブン
たびたび人気メニューを生み出す牛丼チェーン店・松屋。今回の新作は”激辛四川料理”だ(松屋公式Xより)
「辛すぎて完食できない…」「あるまじき量の唐辛子」激辛好きの記者も驚き…牛丼チェーン・松屋の新メニュー『水煮牛肉』 本社が語った“オススメの食べ方”とは
NEWSポストセブン
ミャンマーとタイの国境沿いの様子(イメージ)
《「臓器売られる覚悟」「薬を盛られ意識が朦朧…」》タイ国境付近で“消える”日本人女性たち「森林で裸足のまま保護」
NEWSポストセブン
小室圭さん(左)と眞子さん(右)
小室眞子さんの“後見人”が明かすニューヨークでの生活と就活と挫折「小室さんは『なんでもいいから仕事を紹介してください』と言ってきた」
女性セブン
ビアンカ・センソリ(カニエのインスタグラムより)
《“ほぼ丸出し”ファッションに賛否》カニエ・ウェスト、誕生日を迎えた17歳年下妻の入浴動画を公開「彼なりの円満アピール」
NEWSポストセブン
販売されていない「謎の薬」を購入している「フェイク動画」(instagramより。画像は一部編集部にて加工しています)
「こんな薬、売ってないよ?」韓国人女性が国内薬局「謎の薬」を紹介する“フェイク広告動画”が拡散 スギ薬局は「取り扱ったことない」「厳正に対処する」と警告
NEWSポストセブン
教室内で恐ろしい事件が(左は現場となった法政大多摩キャンパス内にある建物、右は教室内の様子)
「女子学生の服が血に染まって…」「犯行直後に『こんにちは!』」法政大・韓国籍女子学生が“ハンマー暴行”で逮捕、学友が語った「戦慄の犯行現場」
NEWSポストセブン
中居正広の女性トラブルで浮き上がる木村拓哉との不仲
【全文公開・後編】中居正広の女性トラブル浮き上がる木村拓哉との不仲ともう一つの顔 スマスマ現場では「中居のイジメに苛立った木村がボイコット」騒ぎも
女性セブン