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「私が推薦すれば皇室へ献上できる」と語って農家から桃・トマト・シイタケを騙し取った被告の“詐欺手口”

(写真/イメージマート)

「献上桃詐欺事件」の判決は(写真/イメージマート)

 宮内庁関係者をかたり、皇室への献上品名目で農家から桃を騙し取っていたとして詐欺などの罪に問われている農業園芸コンサルタント・加藤正夫被告(75)の公判が現在、福島地裁で開かれている。

 昨年12月26日の初公判で、加藤被告は「私には献上品を推薦する権利がある」などと語り、公訴事実を否認した。起訴状などによれば、被告は2022年6月ごろ、福島市の農家に「宮内」なる印を押して偽造した「献上依頼書」を示し、桃4箱を騙し取ったとされる。

 この「献上桃詐欺事件」で加藤被告が逮捕されたのは昨年7月。当時の朝日新聞の報道によれば、加藤被告は複数の農家に農作物などを皇室に献上するように持ちかけたうえ、献上のお礼に「皇室からの木札」を届けていたという。この木札の写真は一時期「道の駅ふくしま」に掲示されていた。

 その後の捜査で、加藤被告が福島県の桃だけではなく、茨城県でトマトやシイタケも同じように騙し取っていた疑いが強まり、昨年10月に再逮捕、追起訴へと至る。今年2月26日に福島地裁で開かれた第2回公判では、この茨城県での献上トマト、献上シイタケ詐欺事件についての審理が行なわれた。

 色黒のガッチリ体型に、紺色のジャージを着用し、白髪混じりの頭髪をオールバックにした加藤被告は、追起訴状や冒頭陳述によれば、福島県の桃農家だけでなく、茨城県のシイタケ農家に対しても、2021年8月ごろ「私が推薦すれば献上品にすることができる」と持ちかけ、農作物の成分分析を提案。2022年1月、被告は「献上品として認定された」と農家に告げ、木札を渡した。その後同年8月に「宮内」の印のある「献上依頼書」を農家に提示し、「行事があるので献上してほしい」などと告げ、シイタケの交付を受けたという。

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