3年前、あと少しで東京五輪の切符を逃がした渋野日向子(25)。今回もパリ五輪への道は険しそうだ。女子ゴルフの代表は6月24日に決定。世界ランキング上位から最大4人まで選出されるが、渋野は100位を下回る。
「いまのところ渋野と同様、米国ツアーで戦う畑岡奈紗(25)と古江彩佳(23)の2人が最有力候補です。日本ツアーを主戦場にする選手では賞金女王の山下美夢有(22)が30位前後なので、今後の結果によってはあり得るかもしれません。米ツアーで優勝でもすれば別ですが、渋野にとって厳しい戦いです」(スポーツ紙記者)
今年は正念場
今年は渋野にとってパリ五輪以上に重要な局面が迫っている。2019年の「全英女子オープン」の優勝で5年間のメジャー大会出場権を獲得したが、今年が最終年。今年メジャーに勝てなければ、来年からは全英以外の出場権を失ってしまう。今季はメジャー以外の試合も予選落ちが続いているため、来季は米国ツアーの出場権も危ぶまれている。
復活のカギを握るのが、今季から師事する新コーチの存在だ。LPGAの関係者が言う。
「上田桃子(37)を支え、吉田優利(24)を国内メジャー初優勝に導いた辻村明志コーチです。昨年オフから師事し、シーズンが始まるとリモートでコーチングを受けている。渋野はコーチをコロコロ代えてスイング改善に取り組んだが結果が出なかった。いま、最も“売れっ子”の辻村さんの元で、渋野がどれだけ成長できるか。正念場を迎えていて、五輪どころではないかもしれません」
とはいえ、日本ツアーに復帰してもすぐに大活躍できる保障ははない。女子ゴルフの日本ツアーは毎試合、新たなヒロインが登場している状況だからだ。「シブコ」の相性で親しまれる渋野の人気は抜群。ここで終わらずに再び「シブコスマイル」が見られる日が待ち遠しい。
※週刊ポスト2024年5月17・24日号