緑内障の障害
2022年に医療機器として承認され臨床使用開始、6月より診療報酬がつく。
毛様体をレーザーで凝固する治療は以前からある。ただ眼の外側から眼の中の毛様体を凝固するので、途中の正常な組織にもダメージを与え、しばしば視力が低下する。
その点、開発された眼圧下降ECP治療装置は角膜から眼内内視鏡を挿入し、モニター画像を見ながら毛様体にグリーンレーザーを照射する。しかもグリーンレーザーは既存のダイオードレーザーに比べ組織深達度が低く、正常な組織を障害することが少ないまま眼圧下降が可能となっているのだ。
このように眼圧を下降、保たせる治療法などには最新技術が開発、導入されているが、なにより重要なのは早期発見と治療だ。それが失明を避ける唯一の方法でもある。そのためにも40歳を過ぎたら、眼底撮影による視神経乳頭のチェックなどが欠かせない。
日本緑内障学会では毎年3月、国内1500か所でライトアップイングリーン運動を実施、早期発見の啓蒙活動を行なっている。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2024年6月7・14日号
谷戸正樹・島根大学医学部眼科学講座教授