MC・相葉雅紀さんとBTS・JINさんの保護犬トリミング企画(インスタグラムより)
愛情や努力と「お手伝い」のスタンス
もはや芸人というより「猫タレント」というイメージの強い池崎さんは保護猫を飼っているほか関連団体への寄付を行うなど、猫への愛情は申し分なし。また、番組での保護猫預かりボランティアも、苦戦しながら徐々に距離を縮めていく姿を見せ、「保護猫をコンテンツとして消費する」という印象はありません。愛ちゃんも「キャットスペシャリスト」の資格を持つなど、猫に対する出演者の愛情がしっかり伝わっていることがポイントの1つでしょう。
一方の制作サイドも保護猫・犬の企画をしっかり時間をかけたドキュメントとして放送。長期にわたって密着し、大量の映像を編集して保護活動の本質的なところを伝えようという姿勢を見せています。預かりボランティアの企画は出演者の負担が大きい構成・演出ですが、スタッフも地道な努力を重ねていることが視聴者にも伝わっているのでしょう。
さらに、預かりボランティアをするタレントに芸人をキャスティングしていることも批判を受けにくい要素の1つ。猫・犬への愛情をベースにしながらも、ほどよく笑いを加えることでシリアスなムードになりづらく、保護活動そのものへのイメージアップに貢献しています。時にテレビは制作姿勢が「ごう慢」などと批判されますが、『みんなの動物園』は「保護活動のお手伝い」というわきまえた立ち位置で制作しているのでしょう。
“感動ポルノ”と批判されるケースで多いのは「勝手に『かわいそう』などのレッテルを貼る」というケースが多いだけに、「動物のかわいさを見てもらいながら明るく楽しい映像にしていこう」という番組のスタンスは正しいように見えます。