スポーツ

【パリ2024パラ五輪】車いすテニス界のレジェンド・国枝慎吾さんがエールを送る「小田凱人選手の“穴のないプレー”に注目を!」

国枝慎吾さんに憧れて車いすテニスを始めた小田凱人選手(写真=MB Media/AFLO)

国枝慎吾さんに憧れて車いすテニスを始めた小田凱人選手(写真=MB Media/AFLO)

 パラリンピックで通算4度の金メダルを獲得し、昨年に世界ランキング1位のまま現役を退いた車いすテニス界のレジェンド・国枝慎吾さん。パリ大会では国枝さんに憧れて車いすテニスを始めた小田凱人選手がメダルに挑む。自身の歩みと後輩の活躍について、『パラリンピックと日本人』(小学館新書)の著者でノンフィクションライターの稲泉連氏が思いを聞いた。

 * * *
 僕が車いすテニスという競技に出会ったのは11歳の時でした。当時はインターネットで競技を知ることもできなかったので、実際のコートでトップ選手の激しいプレーを見た時は、「うわ、こんなにすごいんだ」と驚きました。そして、自分が車いすでいることに希望を抱き、「こんなふうに生きていけばいいんだ」と感じたものです。

 以来、競技を続ける中で、僕が最も大事にしてきたのは、「障害者」というイメージを覆すプレーをすることでした。

 車いすテニスの競技性の高さを伝え、普及していく。そのためには、やはり勝たなければならない。自分が最高のプレーをして勝てば、それだけ多くの人たちに車いすテニスの魅力を知ってもらえる。そう信じながら競技を続けてきました。

 それから僕がいちばん嫌だったのは、車いすテニスを見に来た人に、「こんなものか」と思われることでした。だから、勝つだけではなく、予想を上回るレベルを見せたいと思いながらプレーしていましたね。その意味で現役時代は対戦相手と戦うだけではなく、プレーをする自分自身と戦い、周囲の目とも戦っていた、という思いがあります。パラリンピックは僕にとって、車いすテニスのそんな競技力の高さを伝える絶好の舞台であり続けてきたんですね。

 僕が初めてパラリンピックに出場した2004年のアテネ大会の頃は、パラスポーツと言えば新聞の社会面で扱われるものでした。それが、今ではスポーツ面で競技の結果が報道されるようになった。この20年でパラスポーツの認知度が上がり、社会に浸透したことを嬉しく思います。僕自身は東京大会で金メダルを獲得し、念願だったウィンブルドン選手権でも勝利したことで、「やりきった」という思いがありました。今は、かつて僕が先輩たちのプレーを見て競技を始めたように、新しい世代が車いすテニスの世界で活躍し始めていることが嬉しいですね。

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
野球人・江夏豊が球界に伝えておくべきことを語り尽くす(撮影/太田真三)
【江夏豊インタビュー】若い才能のある選手のメジャー移籍は「大いに結構」「頑張ってこいよと後押ししたい」 もし大谷翔平と対戦するなら“こう抑える”
週刊ポスト
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
11月下旬に札幌ススキノにあるガールズバーで火災が発生(右はInstagramより)
【ススキノ・ガルバ爆発】「男は復縁の望みをまだ持っていた」火をつけた男は交際相手A子さんを巻き込んで死のうと…2匹の犬を失って凶行に
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン