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ソフトボール・上野由岐子投手が「真冬に半袖」で小中学生向け体験会に参加「ロス五輪に向けて動き始める」と決意表明

小中学生向けのソフトボール体験会に参加した女子ソフトボール日本代表の上野由岐子投手

小中学生向けのソフトボール体験会に参加した女子ソフトボール日本代表の上野由岐子投手

 1月18日、福岡県八女市にある忠見小学校で、地元の小中学生向けのソフトボール体験会が開かれた。八女市や同市教育委員会とタッグを組んで体験会を開催したのは、アスリート・コンサルタントの鴻江寿治氏が主宰する「鴻江スポーツアカデミー」だ。

 鴻江氏の呼び掛けに応じて、女子ソフトボール日本代表の上野由岐子投手(42才)や、埼玉西武ライオンズ所属の今井達也投手(26才)、同所属の仲三河優太選手(22才)らが参加。上野らと同様、鴻江氏の指導を仰ぐプロゴルファー・天本ハルカ選手(25才)や陸上女子長距離の酒井美玖選手(22才)らも、競技の垣根を越えて参加した。

 集まったのは、地元の子供たち約50名。打撃練習でピッチャーを務めた上野は、バッターボックスに立つ子供たちに、「ナイスバッティング!」「いいスイングだね」「おお、上手だね」と声をかけ、一塁へ駆けていく姿に目を細めていた。熱を帯びた上野投手は、途中から真冬にもかかわらず半袖姿になってプレーを続けていた。 

 天本選手は私、ソフトボールも野球も実際にやるのは初めてです」と野球未経験を告白しながらも、バッターボックスに立つとゴルフと同じく鋭いスイングを見せ、ヒットを放っていた。一方、「実は、小中学校では野球をしていました」と話す酒井選手は、プレーぶりはもちろん、走塁のスピードでも子供たちを驚かせていた。

 プレー後、上野投手が2008年の北京五輪、2021年の東京五輪の金メダルを子供たちに披露。「金メダルって、こんなに重いんだ!」「初めて見た。すごい!」と、興奮醒めやらぬ様子だった。

 体験会後、上野投手が今年の抱負を次のように明かした。

子供達がみんな元気で、私もパワーをもらいました。今年は(ビックカメラ高崎ビークイーンに)入団してから25年。まさにアニバーサリーです(笑い)。チームとしても個人としても勝負をしかけたいと思っています。しっかり準備してシーズンを迎えたいです。

(2028年の)ロサンゼルス五輪に向けても動き始めなくてはいけない年になると思っています。常に一歩踏み出す勇気を持ち続けていたい」

体験会前日まで、鴻江氏が主宰する合同自主トレに参加していた

 なぜ、各競技のトップ選手が今回のソフトボール体験会に集まったのか。その理由は鴻江氏にある。選手達は、体験会の前日まで福岡県久留米市内で、鴻江スポーツアカデミーの合同自主トレに参加していた。

 鴻江氏は、2006年の第1回、2009年の第2回WBCをはじめ、2021年東京五輪では女子ソフトボール代表チームに帯同した経験を持つ。20年以上にわたってアスリートと対峙して作り上げたのが、人の体を「うで体」と「あし体」の2タイプに分類する独自の「鴻江理論」だった。鴻江氏は「うで体」「あし体」について、次のように説明する。

「簡単に言うと、うで体は猫背型。あし体は反り腰型です。

 よく、“体のバランスを整えよう”と言われたりしますが、私に言わせると、人は誰でも体の歪みを持っています。猫背か反り腰かという以外にも、具体的には、うで体は右肩が下がっており、右の腰が少し前に出ている。逆に、あし体は左肩が下がり、左腰が前に出ています。

 こういった歪みがあるのは普通のことで、決して悪いことではありません。大事なのは、自分がどちらのタイプか知り、タイプに合った体の動かし方をすることです」

 もちろん、人によって程度の違いはあるが、タイプによって運動時に気をつけるべきポイントがあり、合わない動かし方をしていると、アスリートはパフォーマンスが上がらないだけでなく、ケガや故障につながるリスクもある。鴻江氏の教えを請うために、アスリートがこぞって集まるのだ。

 そして、その考え方は、一般の人にも当てはまるのだという。鴻江氏が自身の考え方を一般化した書籍『一生歩ける喜び 「うで体・あし体」鴻江理論で人生が変わる』では、7つのチェックポイントを設けて自分がどちらのタイプかを見極めた上で、日常のさまざまなシーンをあげ、「何をすべきで、何をすべきでないか」をイラストを用いて平易に解説。また、タイプ別のおすすめストレッチを図解入りで詳細解説している。

 トップアスリートの活躍を支える鴻江理論を実践すれば、「一生自分の足で歩く力」を手に入れることができるだろう。

取材・文/祓川学(ストライカープレス)

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