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新橋の居酒屋が全国初「路上営業」で営業停止処分 人気店が摘発された背景と野外での”違法営業”が続く事情

新橋には庶民に人気の居酒屋が数多くある(写真提供/イメージマート)

新橋には庶民に人気の居酒屋が数多くある(写真提供/イメージマート)

 飲食店が店に隣接した路上にテーブルや椅子を出して営業したい場合には、利用に伴う道路占用許可を得なければならない。新型コロナウイルス感染症の影響で、飲食店等を支援するための緊急措置として占用許可の基準が緩和されていたが、それも2023年度をもって終了させた地域がほとんどだ。先日、東京・新橋の居酒屋が許可をとらずに「路上営業」を続け、日本初の摘発をうけた。ライターの森鷹久氏が、違法な「路上営業」が続いていた事情についてレポートする。

 * * *
 東京・新橋の人気居酒屋が、まさかの「名指し」で休業に追い込まれた。筆者も以前取り上げたが、居酒屋前の公道上に椅子やテーブルを並べて「路上営業」を繰り返していたというが、なんと60回以上に及ぶ警視庁からの指導や警告に従わず、今回、通行人や近隣住人から苦情が相次ぎ道路交通法違反の疑いで運営会社を書類送検、風俗営業法に基づいて東京都公安委員会が21日間の営業停止処分を命じた。道路を不正に使用したとして営業停止処分が下されるのは、初めてのことだったという。

「ある意味、そのギリギリ感が良かったんですよ。店員さんが外国人ばかりで、かなり日本語がわからなそうな人も多い。X店はいつも酔客だらけで、そういうのも含めていいよいいよ!ってフレンドリーな感じで」

 残念そうに話してくれたのは、近くの会社に勤務する中年男性。テレビ局のカメラがニュースの「現場撮り」のために集まっていたX店を、離れた場場所から見守っていた。

「店では、食べたときに生レバーと錯覚するようなメニューもあったんです。あ、もちろん、安全なやつだと思いますよ。私なんかお腹壊したことないし、人気店でしたよ」(近くの会社に勤務する男性)

コロナ禍でも屋外なら安心して飲める

 問題の居酒屋近辺で評判を聞き込むと、確かに店の雰囲気などもよく、週末は客が途切れなかったようだ。一方、近隣や付近の店の常連客から聞こえてくる評判は芳しくない。

「その時間帯、店を回す店員全員が、日本語がわからないからと何を言っても伝わらない。本当にわからないのか、そういうふりをしているのか」

 こう話すのは、X店近くのスナック経営者の女性。役所の担当者や警察が何度もやってきては、道路上を思い切り占拠している椅子やテーブルをどかすよう指導をしていた。ところが、その度に「シラナイ、ワカラナイ」と繰り返す外国人スタッフを対応にあたらせていたという。また、女性によれば最近、かつて守られてきたルールを守らない新参者、オープンから3年未満程度の店舗が様々なトラブルを引き起こしているという。

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