国内
高市早苗氏独占インタビュー

【独占インタビュー】高市早苗氏は石破政権に何を思うか 2月の日米首脳会談に覚えた違和感「米国に対して切らなくていいカードを切りすぎた」

高市早苗氏は石破政権をどう見ているのか(撮影/田中麻似)

高市早苗氏は石破政権をどう見ているのか

 トランプ米大統領の「関税」をめぐる予測不能な動きや、党内で持ち上がる減税論に石破政権は対応できているように見えない。支持率低迷で夏の参院選も自民党劣勢が予想されるなか、存在感を高めるのが先の総裁選で最多の党員票を獲得しながら決選投票で敗れた高市早苗・前経済安保相(64)だ。党内外から“高市待望論”も浮上するなか、石破政権とその“トランプ対応”、減税について、どう考え、どう動くつもりなのか。ノンフィクション作家の常井健一氏が斬り込んだ。【全3回の第2回。第1回から読む】

靖国参拝をめぐって集中砲火

──(総裁選で)負けたら、厳しい評価を受けました。「保守色が強すぎて警戒感、拒否感が広がった」と、党内の声が報じられました。

「最後の討論番組で、失敗しました」

──え、どこのですか。

「BSフジの『プライムニュース』でした。司会の反町理さんになぜか靖国問題を長いこと聞かれたんです。候補者9人が揃うなか、私だけ集中砲火を浴びた気がしましたね。あれで、『高市は総理になっても靖国に行く人だから、中国や韓国との関係が悪化する』という懸念が広がったと聞きました」

──実際には、どうするつもりですか。

「どういう立場になっても、信教の自由はありますし、国策に殉じられた方々に感謝の誠は捧げたいので、お参りは続けます。でも、テレビで言わなくていいことを言ってしまった。なんとなく右翼扱いされていますよね」

──最近の雑誌に、「日本版マリーヌ・ルペン」とされ、フランスの極右政党のような新党立ち上げの憶測が書かれました。

「つくるわけないし、私は穏健保守ですよ」

──安倍元首相でも、靖国公式参拝は2013年末を最後に控えました。

「あの時、安倍総理は衛藤晟一首相補佐官を米国に派遣して、ホワイトハウスと話をつけてから参拝したのに、あとで米国から非難されました。以後、参拝されなかったのは、オバマ政権に裏切られたからでしょう」

──「高市首相」なら?

「本来、日本国のために亡くなった方をどう慰霊するかは私たち日本人が決めることで、他国に外交問題にされる話ではないのです。しかし、不要な摩擦を起こす必要もないので、少なくとも、同盟国への根回しは整えたうえでお参りします」

──石破政権が中国に急接近するなか、石破首相と王毅外相の会談内容について、中国側が虚偽の情報を流しました【※注】。

【※注/3月21日に石破首相が中国の王毅外相と会談した際、中国外務省は石破首相が日中間の問題などについて「中国側が詳述した立場を尊重する」といった趣旨の発言をしたと発表したが、日本外務省は「そのような発言の事実はない」と発表】

「私は、すぐに外務省の幹部に確認しましたよ。本当に総理がおっしゃった発言なのか。向こうが録音をしていた場合、それを晒されても、恥をかかずに済むのか」

──外務省の答えは?

「外交儀礼上、会談を録音することはありません、と。仮に向こうが録音していても、何も困りません──ということでした」

関連キーワード

関連記事

トピックス

新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン