気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神は今季から藤川球児新監督(44)となったが、接戦を落とす展開が続いてなかなか波に乗り切れていない。気になるのが「継投策」の危うさだ。4月9日のヤクルト戦では3点リードの6回に育成ドラ1の工藤泰成(23)をマウンドに送るも暴投・四球・暴投で自滅して逆転負けにつながった。工藤はリベンジとばかりに12日の中日戦でも9回に登板したが、2連続四球でピンチを招く結果となった。
「藤川監督は『どんな選手も失敗を重ねて強くなる』と話したが、失敗ばかりさせると新人を潰しかねない。セットアッパーのゲラ(29)も開幕直後に2夜連続で3失点。『藤川監督は投手を引っ張りすぎ。実は継投が下手なのでは』との声がマスコミ関係者から漏れました」(スポーツ紙記者)
藤川監督と言えば、現役時代は岡田彰布監督のもと「JFK」の一員として救援陣の要となり、阪神で通算243セーブを挙げた“火の玉ストッパー”。しかしある阪神OBは、守護神出身ゆえの焦りがあるのではないかと指摘する。
「JFKのような盤石のリリーフ陣を確立して、先発や中継ぎも新戦力を育てたい意識が先行しているのでは。特に岡田阪神に多かった技巧派の投手ではなく、自身のような球の強い本格派の育成にこだわり過ぎて焦っているようにも見えます」(阪神OB)
シーズン70試合ペースに
現役時代の藤川監督は2005年に当時日本最多の80試合に登板し、2007年には「炎の10連投」でチームを10連勝に導いた。その成功体験が投手の「登板過多」につながることを懸念する声もある。
「今季14試合時点で中継ぎの及川雅貴(23)と石井大智(27)、抑えの岩崎優(33)の3人が7登板、他にも6登板が桐敷拓馬(25)ら3投手。これはシーズン70試合に登板するペースで、登板過多で投手が故障するのではないかと不安視する声も聞こえます。6登板したドラ1の伊原陵人(24)はそのうち2回で2イニングまたぎを担当するなど負担が大きかった。その上、今度は『先発転向』と言い出しました。
一方で、ベテランには“仕事場”を与えず厳しい態度です。就任会見で“力のないベテランは必要ない”と言いきったが、開幕一軍から外れ、今季初先発(4月12日・中日戦)で負け投手となった西勇輝(34)は即二軍降格ですからね。伊原を先発に回した時点で、ベテランが1人切られたといわれている」(前出・スポーツ紙記者)