釣り人が見つけたスーツケースの中から男性の遺体が見つかった多摩川(イメージ、時事通信フォト)
ホテル代の支払いでトラブル
交際開始後の原さんと舞被告は2人でホテルに泊まることを繰り返していたが、宿泊費は主に舞被告のクレジットカードで支払っていた。ところが「原さんからの返済は一部のみだったことや原さんの粗暴な言動」(検察側冒頭陳述より)があったことから、舞被告は不満を抱き、これを母親の美保被告(51)に相談した。
2023年5月以降、舞被告は原さんの件を父親・昌浩被告にも相談。昌浩被告は警察へ行くことを勧めていたという。そして9月、舞被告は原さんから脅迫されたとして、当時滞在していた愛知県の警察に被害届を出したことから、原さんが逮捕される。舞被告はこの頃から、大阪にある岩城被告の家に身を寄せていた。
同年10月、原さんは舞被告への脅迫により罰金刑に処せられ、釈放されたが、トラブルは収まらなかった。舞被告は岩城被告や昌浩被告になりすまして原さんにLINEを送り、当時のホテル代名目で金銭を要求した。当初、原さんは支払いに応じる姿勢を見せていたというのだが「執拗な連絡に嫌気がさしたことから、11月を最後に舞被告たちへの連絡をやめることを伝えた」(同)という。
「美保被告や舞被告は怒りを募らせ、殺人を考えるようになり、岩城被告にも伝え、昌浩被告へも協力を求め、了承を得た。首を絞めて寝袋に入れてスーツケースに遺体を入れたのちに多摩川に遺棄するという殺人計画を話し合うなかで兄の昌吾被告(34)もそれを認識した」(同)のち、舞被告の母親・美保被告が原さんを誘い出したうえで、計画を実行した。