原案の小島美羽氏はかつて増田氏のもとで働いていた(C)小島美羽 ポレポレ美/竹書房
「病死は不可抗力とみなされますが、入居者が熱中症で死亡した場合、そこに至るまでの状況によっては、“本人の注意で防げる事故だった”とみなされて、遺族に原状回復・損害補償の責任が発生する可能性もあります」 (同前)
遠野の自室には、遺体のそばに愛猫が残されていたという。特殊清掃の現場において、ペットはどのような扱いをされるのか。
「私どもでは、獣医にいったん預けて健康診断を行った後、譲渡先を探します。新しい家族が見つかるまでの間は、われわれスタッフが動物のお世話をします。小さくともひとつの命として、敬意を持って接してまいります。
ただ、手前味噌ではありますが、これはかなり良心的な対応と言えるかもしれません。業者によっては、保健所に連絡しておしまいですから」(同前)
しかし遺体の身元が確認されないことには、清掃をはじめ全ての対応が取りにくい。前出の大手紙社会部記者が、遺体の身元が明かされない背景を解説する。
「現段階では、遠野さんの消息や遺体の身元について、公式な発表ができる状況にないのでしょう。遠野さんは2024年9月に所属事務所を退所し、フリーで活動中でした。また、事件性がないと判断されているため、警察も公表しない方針なのかもしれません」
このまま“安否不明”で、時間が過ぎていくのだろうか──。