被告人の犯行のきっかけは「夫との口論」だった(画像はイメージ、Getty)

被告人の犯行のきっかけは「夫との口論」だった(画像はイメージ、Getty)

抱きしめながら長女の心臓に手を当て続けた

 ガムテープを手に取り、心菜さんのベッドの横のマットレスへ向かう。

 心菜さんに取り付けられた機器について、その特徴を説明しながら取り外す様子を供述する被告人。機器を熟知したその丁寧な説明だけでも、いかに介護に真剣に向き合ってきたかがわかった。

 最後はすべての機器を取り除き、何もついていない状態の心菜さんを抱きしめた。その状態で、一緒に死にたかったという。手を心臓に当て、徐々に動きが弱まっていくのがわかった。そして止まったのを確認した。

「一緒に死のうね、後で私も行く」

 そう思ったという。

 警察から当時、娘に対して「ごめんね」といった気持ちはなかったのかと聞かれた。しかしそのときは、「私も後で行く」という気持ちしかなかったという。

 ガムテープで自分の頭をぐるぐる巻きにして、口を塞いだ。薬で頭がぼーっとした状態なら苦しくないと思った。そのまま鼻と目も巻き付けた。必死だった。

 しかし苦しくなって剥がしてしまう。現場には、被告人の頭髪が付着したガムテープが残されていた。次は養生テープを手にした。材質が変わればとも思ったが、それも苦しくて外した。

 次は台所に包丁を取りに行く。何度か手首を切るが思うようにできなかった。別の包丁も取り出したがそれでもうまくできない。腹に刺す勇気はなかった。

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